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スペアーキー

難易度指数:1 キーカットはプロに任せましょう

皆さんはスペアキーをどの様にして調達されているのでしょうか? カギ屋、金物屋、ホームセンターの合鍵コーナーetc・・・
基本的にどれも汎用のキーで作成されます。しかし、日産のディーラーや部販、一部のキー関係の専門業者で純正キーを注文できるのをご存知でしょうか。新車からついているキーに打刻してあるキーナンバーを控え、どのタイプのキーにするかを申し出れば、新品のキーを作成をすることができます(ただし、即日とは限りません)。一般の「合鍵作成」と大きく異なるのは、元のキーの磨耗度合いに関係なく新品の鍵山のキーが作成できるということです。ですからキーを紛失してもキーナンバーさえ判れば作成できます。一般の合鍵作成ならベースになるキーがないと大半はダメですし、磨耗したキーをベースにしてしまうと完成したコピーのキーも磨耗した鍵山となってしまうのです。

ただし、旧車用となるとまた状況が変わってきます。あまり古いタイプはディーラーでも手に追えず、ブランクキー(山のカット加工を施していない状態のキー)の入手が精一杯の場合もあります。

ここで、セドグロをベースにキーのタイプを大雑把に区別します。

採用期間 セドグロの型式 キータイプ 備考
60 〜71年頃 30 〜 130&A30 片溝 6山 L溝、R溝2タイプ有
68年頃〜 ? 130&A30後期
230補修専用部品
片溝 5山 初期のステアリングロック付用
71年頃〜83年頃 230 〜 430 両溝 6山 L溝、R溝2タイプ有
83年頃〜95年頃 Y30 〜 Y32 両溝 8山 R溝のみ
95年〜 Y33 〜 Y34 両溝10山  

旧車と呼ばれるクルマのキータイプは6山タイプ。これらを中心に詳細をご紹介します。

 

1.片溝5山・片溝6山タイプ

セドなら130以前の場合はこのタイプです。6山では組み合わせ数を稼げない為に、溝の向き(断面形状)を逆にして2タイプにしています(L溝/R溝)。これを間違えると、キー山は合っていてもシリンダに挿入できません。注文する場合は予め注意する必要があります。

また、ステアリングロックが装着され始めた頃のクルマでは、エンジンキーはドアやトランクとは異なります。従って、1台のクルマに2本のキーを持たないと動かせないことになります。こちらは5山となっています。

画像はこれらのキーで、上から

となります。いずれも日産では製廃の模様(2021年月現在)。

また、ドア用はもう2種類あるようです。


画像は部品番号:KEY00-00202の先端部のアップですが、この「D」寸法が2通りあるそうです。画像のキーは「D」寸法0.8ミリでこれは狭いタイプ。おそらく130にはこの狭いタイプだけだと思われます。

一方、上図「D」寸法が広いタイプは

という情報もあります(未確認)。いずれも製廃で日産から新品入手はできません。キーの専門業者でなら取り扱いがありそうです。片溝キーで判っていることはここまで。

2.両溝6山タイプ

230から430までがこのタイプで、日産のキーとしては初の両溝(リバーシブル)となるようです。 新車時には下図のようなキーで、やはりL溝、R溝があります。これらのキーは残念ながら製廃となり入手することが出来ません。

なお、両溝タイプを採用した車両でも、修理時にステアリングロック(エンジン)用のキーシリンダを単品交換すると、このタイプではなくなります。「1」で出た片溝5山タイプになります。

両溝6山で現在入手できるタイプは以下となります。

上から

これならカットも合わせて注文することが可能です。部品番号とキーナンバー(打刻番号)を日産へ申し出れば受け付けてもらえます(大抵2本1セット)。

しかし、日産ディーラー、キー専門業者などで純正キーをカット加工込みで注文する場合、キーナンバーがわからなければなりません。これが判らないとカットが出来なくなるからです。ホームセンターや金物屋で作業をする合鍵作成とは異なり、キーナンバーの判らないキーを持参しても断られる可能性があります。

キーナンバーは元の純正キーがあればまったく問題なし。アルファベット1桁+数字4桁の打刻がキーナンバーです。純正キーを紛失していてキーナンバーが判らない場合は、キーシリンダーの横っ腹にも打刻されていますので、これをメモっておきます。230などではキーシリンダが剥き出しになっている、フューエルリッド部が最も簡単に確認できる場所です。

参考までにキーナンバーと対応キー部品番号をまとめると下表のようになります。

キーナンバー 日産純正部品番号 溝タイプ
M5001 〜 M6000
M7001 〜 M8000
N1001 〜 N2000
KEY00-00055 L溝
M4001 〜 M5000
M6001 〜 M7000
KEY00-00056 R溝

 

3.両溝8山タイプ

83年〜95年頃までのタイプ。
キーナンバーは0001〜8000までで、山は8000通りの組み合わせとなる為、L溝、R溝の区分はなくなりR溝に統一されました。なお、キーによっては数字4桁の頭に「X」か「Y」の打刻がある場合がありますが、山のカット加工にはあまり関係ありません。

また、80年代末からは柄の部分にオーナメントのようなマークが入ったファションキー、デザインキーなど、車種によってはさまざまなキーが設定されましたが、両溝8山タイプであれば車種を越えて作成することができます。たとえばY30にY32用のファッションキーが作成可能です。部品番号を調べてもらい、キーナンバーを申告すれば作成してもらえます。

純正キー紛失時のキーナンバー確認方法も基本的には両溝6山と同じですが、どこにもあるわけではなく、運転席のキーシリンダーのみとなり、更に打刻位置も本体サイドからアーム部となりました。
そしてそこには5桁の数字が打刻されています。うち一桁は関係ない番号ですが、あえて伏せさせていただきます。注文の際は「キーシリンダーに打刻してある番号を控えて来ました」と言って5桁すべてを申告して下さい。

 

4.両溝10山タイプ

95年6月発表のY33セドグロ以降にフルモデルチェンジされた車両(Y31等のマイナーチェンジを繰り返して継続生産していた車両、OEM車、WC34ステージアを除く)はこの10山タイプ。
10山となったことで組み合わせ数は更に増え、「偶然同じキーのクルマが2台あった」などの指摘はほぼなくなりました(苦笑)

10山キーのキーナンバーの確認方法は8山以前と少し異なり、キー本体には打刻がありません。キーとは別にキーナンバーが打刻されたタグプレートがあって、それを読みます。これを紛失してしまうとやはり運転席キーシリンダからの確認となります。

 

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