ホーム > 自分でメンテ(シャーシ編) > 4. フロントブレーキパッド
難易度指数:2 | ドラムと違い「分解整備」にはなりません |
消耗部品でもある、フロントディスクブレーキパッドの交換方法です。ディスクブレーキはタイヤさえ外してしまえばパッド交換が出来る為、ドラムブレーキシュー交換の様に「分解整備」はなりません。
ジャッキアップしてウマを掛けます。今回の作業は下に潜るまでは行かないので、ジャッキのまま作業することも「私は」ですが多々あります。しかしパンタジャッキは危険。最低でも油圧ガレージジャッキにしましょう(画像は左リヤ)。 そしてタイヤを外します。
フロントブレーキ側リザーバタンクのフルードをスポイトで抜きます。80年頃までの2系統式マスターシリンダは殆どがこの形状ですが、どちらがフロントかリヤかは車種、年式によって違います。普通は大きい方のタンクがフロント(ディスク)側です。シリンダ本体に「F」の刻印があるので、それで確認しても良いです。
パッドの残量が少なければ、フルードは「MIN」レベルまで抜いちゃいます。パッドが上の画像の様になるまで減っていたら2回は抜取りが必要です。
またフルードは塗装面に垂らさないように注意。もし付着したらすぐ水洗いしてやらないと塗装が剥げてしまいます。
2 : パッド
3&4 : アンチスキールシム
5 : アンチスキールスプリング
11 : リテーニングピン
12 : Rピン
がパッド交換に関するパーツ。
まず、上下のRピンを抜き(下画像)、リテーニングピンを抜きます。ここまで来ればパッドをこじる様にすると全部取り出せます。
ただし、パットの取出しは1個ずつにしましょう。
パッドは金属製のプレート(裏金という)に摩擦材が貼り付けられています。下の画像手前が取出したもの、奥が新品です。取出したパッドは磨耗材が0.3mmあるかどうか。これは殆どないと言って良いです。ゼロになると裏金がディスクロータと直接接触してしまい、ロータが異常磨耗してしまうので、絶対さけたいものです。
新品パッドの裏金にアンチスキールシムを組み付けます。この時、キャリパのピストンに押される部分にはグリースを塗ります。シムには方向があり、矢印が上を向くように組めばOK。磨耗材には間違ってもグリースを付けないように。
新品パッドをキャリパに入れますが、そのままではダメ。パッドの磨耗量に合わせてピストンが飛び出て来ていますから、それを引っ込めなければなりません。バールのようなもので押し込みます。軽くは動きませんが、全く動かないなら、均等にチカラが掛かっていないので、奥側からもドライバーで押してやれば入るハズ。
またここでピストンのダストカバー(上の分解図の「8」番)が飛び出してしまうことがあるので、指で押し込みます。
こうすると、マスターのリザーバタンクの液量が増えます。溢れないかを確認します。2個交換するとタンクの「MIN」まで抜いていても、「MAX」近くまで上がってきます。
また、パッドは片側1個ずつ交換すること。2個以上抜いてこの作業をすると、一方を押し込むと他方のピストンが目一杯飛び出してしまい、面倒なことになるのです。
内側外側両方組み付けたらアンチスキールスプリングとリテーニングピンを入れます。グリースは一切付けません。最後にRピンで抜け止めをして完成。次にもう1度リザーバの液量を確認、また少し抜いてから反対側のキャリパの交換作業に移ります。
ディスクブレーキはブレーキ調整が一切不要です。キャリパのピストンが勝手に隙間を調整してくれます。
組み付け後はリザーバタンクの液量を確認、調整をして、ペダルを数回踏んで落ち着かせます。
新品に交換直後は走行時に「ザー」音が大きい、効き不足感、ペダルにフワフワ感などがでたりします。これは「当り」が出ていないのが原因。暫らく乗れば解消します。車検整備でパッド交換をすると制動力がパスできない車種があり、試運転でムリに当りをつけてから検査ラインに入れたりもします。
なるべくなら車検と関係ない時期に交換したほうが良いのではないでしょうか。
また、キャリパとマスターシリンダのオーバーホールも同時に実施してしまうとペダルの踏み代が出ず、かなりテコズリます。ついでだから・・・と同時作業にしたいのも人情ですが、バラバラが良い様です。
部品番号 | 名称 | 概算価格 | 使用個数 |
D1060-N4427 | ブレーキパッド | ¥8,000 | 1個 |
* パッドは形状が合えば他車の部品も流用可能です。(ex ・・・330、430下級グレードetc)
* パッドはブレーキ部品業者にて再生(摩擦材の張り替え)もしてくれます。修理工場などにお問い合わせ下さい。