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A/Cバキューム系統点検(純正A/C付き車)

難易度指数:2 それほど難しくないです

純正エアコン仕様の車両では、風の吹出し通路の切替、ヒーターコック開閉、エアコン使用時のアイドルアップなどの制御をエンジンの吸気系で発生するバキューム(負圧)を使って制御しています。もしこのバキューム系統が死んでしまうと次のような不具合現象が起きます。

そしてこれらの原因を頻度順に挙げると

が考えられます。この中で最も多いホース切れの点検とマグネットバルブ点検&修理方法のご紹介をいたします。


バキューム接続図

1.バキュームホース点検

エンジンルームや室内グローブボックス周辺に直径5ミリの細いホースが這っています。
古くなってくると接続部に亀裂が入り、バキュームが漏れ出します。特にエンジンルーム内は元々屋外に近い環境で、なおかつエンジンの熱が影響して劣化が早く起こります。特に要チェック箇所は以下の部位です。


Tジョイント


FICDアクチュエータ(既に亀裂がありました ^^;)


マグネットバルブおよびバキュームタンク
(左フェンダーミラー下部)

←の画像の部位(ダッシュとのジョイント部)はエンジンルーム内とはいえ比較的劣化が少なく、ホース切れはあまりありません。

しかし、過去の修理で誤接続されていることがあるので、作動がおかしければチェックする必要があります。
3本の順は上から、FICD、バキュームウォーターコック、マグネットバルブにそれぞれ接続されます。

なおこの部位のホースは一度抜くと、まわりのスペースが狭く接続が困難です。ホース内面に石鹸水かラバーグリース、レザーワックス等を塗布すると格段に作業性が向上します。

 

ホースに亀裂や裂けがあったらその部分を切り取ってしまいます。大抵1センチくらいで済むハズです。

ただ、全体が劣化していることは否めません。切れた部分を切り取っても、また後日再び切れてしまうことが多いので、出来れば交換した方が望ましいと言えます。
また、交換する場合は1本ずつにしましょう。一度に何本も抜いてしまうとどれがどれだか分からなくなってしまいます(汗)

〜〜 バキュームホース部品番号 〜〜
J2151−79919   \2000弱
*長尺物の為、必要な長さに切って使用します。

 

2.マグネットバルブ(M/V)

バキュームホースの切れはなく、バキューム漏れは考えられない。でもバキュームが室内に来ていないようだ、と言う場合はマグネットバルブ(M/V)が閉まったままの疑いがあります。このような場合は次のような点検を行います。

黄色い丸がマグネットバルブ

左の拡大。バルブ自体は後ろ向きなので見にくい・・
  • ブロアファンON状態でM/Vに来る配線の端子を断続してみる。作動音があればOK、しなければNG。

  • 作動音がない場合、12ボルトの電圧が掛かっているかを点検。OKならM/V本体故障です。
    (電圧が掛からないなら、電気的な点検・修理となります)

  • コイルの導通をチェック。
    導通がなければコイル断線しており、交換以外は修理不可。
    35オーム近辺ならコイルは生きていますので、これで電圧を掛けても作動音がない場合はバルブの固着が考えられます。
    このバルブ固着の場合は蘇生可能で、以下がその手順です。

M/Vの取り外しはビス3本で取り外す事ができます。今回は見やすいようにブラケットごとにしているので、ナット2個を外しました。その画像が←です。

ブラケットにはM/Vの他にチェックバルブ(左下画像)もついています。

M/Vの下部にある「くの字」型したピンを抜き分解します(右上画像)。
←はM/V本体を分解した様子。

ここまで分解したらホース接続部からブレーキクリーナー等で内部を洗浄します。まずは画像上側(室内側)のホース接続部からクリーナーを吹き込みます。すると分解部から液が出てくるハズです。逆に分解部から吹き込んでも見ます。何度か繰り返すうちにコイルに電気を流してやるとバルブの開閉音が出るようになります。

続いて画像下側(INマニ側)から。こちらはバルブを「開」にさせた状態、つまりコイルに通電させた状態でクリーナーを吹き込みます。すると先ほどと同じように分解部分に加え室内側からも液が排出されます。

これら一連の作業を数回繰り返します。

後は逆の手順で組み立てるだけ。

ホースの接続は画像を参照して下さい。

ちなみに230の整備要領書にもホース接続の解説がありますが、図が上下左右が逆になっているので、それを見ながら接続する場合は注意が必要です。

 


参考資料

 

第1表 バキュームセレクタ作動表

バキュームタップ名 \ レバー位置

DEF

ROOM

BI LEVEL(*)

VENT

AIR-CON

DRY

COOL

I1 (インテークドア アクチュエータ 一次側)

I2 (インテークドア アクチュエータ 二次側)

D1 (デバータドア アクチュエータ 一次側

D2 (デバータドア アクチュエータ 二次側

B (バイパスドア アクチュエータ

H (デフルームドア アクチュエータ

W (バキュームウォーターコック用)

F (FICD アクチュエータ

○ : バキュームが掛かる
− : バキュームは掛からない(大気開放)

* : モード切り替えレバー表示板にのマークの付く位置で、正面吹出口から外気風、足元吹出口から温風が出る。昭和47年7月以降生産車両に適用する。


構成部品配置図


ジョイントコネクタ バキュームタップ配列

 

 

第2表 配風比
  配 風 比 [%] 導入空気 [%]
  デフロスタ インスト正面 足元 外気導入 内気循環
DEF 90 0 10 100 0
ROOM 20 0 80 100 0
BI LEVEL 0 50 (送風) 50 (暖房可) 100 0
VENT 0 100 (送風) 0 100 0
DRY 0 100 (暖房可) 0 25 75
COOL 0 100 (冷房) 0 0 100

 

 

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