ホーム > 自分でメンテ(エンジン編) > 現象別トラブルシュート一覧表


現象別トラブルシュート一覧表(エンジン編)

どこが悪いのか、どこから手をつけて良いのかサッパリ分からん、という方の為の、現象別トラブルシュートです。とりあえずガソリンエンジンで、230のようにキャブ仕様、ポイント点火方式の車両で考えられる事項を箇条書きにしてみました。
詳しい点検方法、修理方法については、「自分でメンテ エンジン編」へ戻って内容が合致しているページをご参照下さい。まだアップされていない場合は掲示板に書き込んでいただければお答えします。

参考1 : ガソリンエンジンが調子良く回る大三原則

エンジン回転に関する不具合は下記の三原則が満たされていない事を念頭にいれておくと良いでしょう。

  • 良い火花(点火系統)

  • 良い混合気(キャブレータを中心とする燃料系統、空気系統)

  • 良い圧縮(エンジン本体)

参考2

下記の不具合は複数の現象を併発する事が多いので、関連性を良く確認しましょう。

特に始動不良や運転性不良(アイドル不良、加速不良)、燃費不良は関連性が高い場合が殆どです。

キャブかな?と思っても、 初めは電気系統(点火系統)を先に点検しましょう

 

目       次
I. 始動不良
II. アイドル不良(回転数が安定しない、エンジン振動大、エンストする)
III. 加速不良・出力不足(アクセルを踏んでも失速する、ガクガク振動してスムーズに加速しない)
IV. 異音
V. 燃費不良
VI. オーバーヒート(または水温計の指針が高い)
VII. オーバークール(または水温計の指針が低い)
VIII. エンジンオイル消費大
IX. 白煙・黒煙

 

I.始動不良

1.スタータが全く回らない キーを「START」にしてもウンともスンとも言わない、または小さく「カチッ」という音だけ聞こえる
  • バッテリが完全に上がっている
    • バッテリ性能劣化
    • 長期間放置(自己放電)によるバッテリ上がり
    • 液量不足
    • 充電不良(オルタネータ、ボルテージレギュレータ不良、ハーネス断線・短絡)によるバッテリ上がり
  • バッテリターミナル接触不良
  • エンジンアース不良(エンジン〜ボディー間のアース線不良)
  • スタータモータ配線緩み、外れ
  • スタータモータ不良(マグネットスイッチ、モータ本体)
  • イグニッションスイッチ不良
  • PかNレンジ以外になっている(AT車)
  • インビビタスイッチ不良(AT車)
  • シフトリンケージ不良によりPorNレンジになっていない(AT車)
2.スタータが回らない、または回転が異常に遅いキーを「START」にした時、「グゥッッ」と言う音がするが連続的に回らない、「カチカチカチ・・・」と言う大きな音だけで回らない
  • バッテリが上がっている
    • バッテリ性能劣化
    • 長期間放置(自己放電)によるバッテリ上がり
    • 液量不足
    • 充電不良(オルタネータ、ボルテージレギュレータ不良、ハーネス断線・短絡)によるバッテリ上がり
  • バッテリターミナル接触不良
  • エンジンアース不良
  • スタータモータ配線緩み
  • スタータモータ不良(マグネットスイッチ、モータ本体)
  • 点火時期が早過ぎる
  • ギヤが噛みっぱなし(MT車)
3.スタータは回るがクランキング(スタータがエンジンを回すこと)が出来ない=空回り
  • スタータモータのオーバーランクラッチ(ワンウェイクラッチ)滑り
  • フライホイールリングギヤまたはスタータピニオンの欠け、磨耗(MT車) *:ギヤ噛み合い不良による大きな異音を伴なう
  • ドライブプレートリングギヤまたはスタータピニオンの欠け、磨耗(AT車) *:ギヤ噛み合い不良による大きな異音を伴なう
4.クランキング出来てもエンジンが始動しない(冷機・暖機共通)
  1. プラグに火花が飛んでいない
    • ポイント焼損・調整不良
    • 点火一次線断線・短絡・結線不良(抵抗器〜イグニッションコイル〜デストリビュータ〜アース間)
    • ハンテンションケーブル(特にIGコイル〜デスビ間)断線・リークおよび結線不良
    • ディストリビュータロータ不良
    • ディストリビュータキャップ不良
    • イグニッションスイッチ不良
    • イグニッションコイル断線・短絡
    • プラグ不良
    • コンデンサ不良
  1. プラグに火が飛んでいるのに始動しない
    • 点火時期が大幅に狂っている
      • デスビの固定位置が大幅にずれている
      • プラグコードの接続位置が点火順序になっていない(バックファイヤかアフタファイヤを併発することが多い)
    • キャブ不良
      1. オーバーフロー
      2. フロートチャンバにガソリンがない
      3. アイドル調整不良
      4. スローカットソレノイドがONしていない(L型6気筒では50年排ガス規制以降)
    • 始動方法が悪い
      • 始動前〜クランキング中にアクセル煽り過ぎ(シングルキャブ)
      • 始動前に1〜3回アクセルを踏んでいないので自動チョークがセットされていない(シングルキャブ)
      • 手動チョーク操作量不適切(SUツインキャブ等手動チョーク車)
    • 燃料がキャブまで来ていない
      1. 燃料系統詰まり
      2. 燃料ポンプ不良または不作動
    • 燃圧が高すぎてキャブがオーバーフロー
    • キャブやインテークマニホールドで大量のバキューム漏れ
    • エンジンの圧縮が上がっていない
      1. バルブクリアランス過小
      2. カーボン付着によるバルブ着座不良
      3. ビストンリング破損
      4. シリンダ磨耗
      5. バルブタイミング狂い(分解修理後)
5.クランキング出来てもエンジンが始動しない(冷機時限定)
  • キャブのチョーク作動不足
  • キャブのファーストアイドル(*)調整不良

* : ファーストアイドル ・・・ アイドル回転が通常より上昇した状態

6.クランキング出来てもエンジンが始動しない(暖機後再始動不良限定)
  • 始動方法が悪い(ややアクセルを踏みながらクランキングすると掛かり易い場合がある)
  • イグニッションコイル過熱(変圧器油漏れ)
  • イグナイタ
  • キャブ不良
    • 油面が高め
    • チョーク作動しっぱなし
    • アイドル調整不良
7.始動出来るが、キーを「START」位置から離すとすぐエンストする
  • 点火一次線結線不良
  • イグニッションスイッチ不良
  • タコメータハーネス結線不良、断線(230のような電流検出型のみ。230ではタコメータ有無に関係なく配線はありますので、無し車では2本の配線(平端子)が直に接続されているかを点検します)
  • タコメータ不良(電流検出型のみ)

 

II.アイドル不良(回転数が安定しない、エンジン振動大、エンストする)

1.暖機中(ファーストアイドル作動時)のみアイドル不良
  • キャブ不良
    • チョーク作動不良
    • ファーストアイドル調整不良
    • 完爆ダイヤフラム破損でチョークバルブが閉じ過ぎ(シングルキャブ)
    • バキュームダイヤフラム破損
  • アイシング
    • 自動温度調整式エアクリーナケースの作動不良(48年排ガス規制以降)
    • ホットエア導入ダクト破損
    • エアクリーナケース手動切替レバーが「WINTER」になっていない(昭和47年以前の寒冷地仕様)
    • 気象条件による
2.暖機中〜暖機後アイドル不良
  • 点火系不良
    • ポイント不良
    • 点火一次系結線不良(コイル、レジスタ、デスビetc)
    • ハイテンションケーブルのリーク(漏電)
    • ディストリビュータキャップ不良
    • ディストリビュータロータ不良
    • プラグ不良
    • 点火時期狂い
  • バキュームホース抜け、切れ(ブレーキブースタ系統、空調系統も含む)
  • バキュームホース誤接続
  • キャブ不良
    • アイドル調整不良
    • エアクリーナ詰まり
    • 油面不良
    • チョーク効きっぱなし
    • スロットルバルブ磨耗によるエア吸い込み
    • 各ガスケットからのエア吸い込み
    • アイシング(主に冬季)
    • パーコレーション(主に夏季の炎天下)
    • シングルキャブ独特の不具合
      1. スロージェット詰まり
      2. アイドルアジャストスクリュー段付き磨耗(過去に強く締め過ぎた)
      3. バキュームダイヤフラム破損
    • SUキャブ独特の不具合
      1. ノズル&ジェットニードル磨耗
      2. ジェットニードルセンタリング不良
      3. ノズルの引っ掛かり
  • インテークマニホールドガスケットからのエア吸い込み
  • アイドルコンペンセータ開度大(装着されていない車種もあり)
  • 燃圧不良
  • PCV開度大
  • EGRバルブが開きっぱなし(50年排ガス規制車等)
  • エンジンマウントへたり(室内でのエンジン振動が大きく感じられるが、エンジン自体の振れや、アイドル不調などの運転性不良は伴わない)
  • オーバーヒート
  • エンジン本体不良
    • バルブクリアランス過小(調整不良、バルブシ−ト磨耗等)
    • ピストンリング、シリンダ磨耗による圧縮抜け
3.ランオン イグニッションスイッチをOFFにしてもエンジンがすぐに停止せずに1〜2秒ガタガタ振れながら回転する
  • アイドル回転数高過ぎ(900rpm以上で発生し易い)
    • アイドル調整不良(FICD調整不良も含む)
    • アクセルリンケージ引っ掛かり
    • BCDDまたはスロットルオープナ作動しっぱなし(48年排ガス規制車)
    • ダッシュポット作動不良or調整不良
    • フロアマットが干渉してアクセルの戻りが悪い
  • アクセルを踏みながら(空吹かししながら)イグニッションスイッチをOFFした
  • キャブのスローカットソレノイドバルブ開側固着(48年規制以前のL6にはナシ)
  • プラグの熱価が低過ぎる
  • ガソリンのオクタン価が低過ぎる

 

III.加速不良・出力不足(アクセルを踏んでも失速する、ガクガク振動してスムーズに加速しない)

  • 点火系不良による失火等
    • ポイント焼損、ギャップ調整不良
    • ハイテンションケーブルのリーク(漏電)
    • ディスキャップ〜ロータ間のギャップ大、各部亀裂によるリーク
    • プラグ不良、プラブギャップ不良
    • デスビ内部配線が断線しかかっている
    • 基本点火時期の遅れ
    • 進角不良(遅れ気味)
      1. デスビのガバナ固着、引っ掛かり
      2. バキューム進角用ダイヤフラム破損
  • キャブ不良
    • 油面が低過ぎる
    • フロートのニードルバルブが全開しない
    • チョーク効きっぱなし
    • アクセルリンケージ調整不良(アクセル全開でもキャブのスロットルが全開しない
    • シングルキャブ独特の不具合
      1. 加速ポンプ作動不良
      2. パワージェット作動不良(ジェット詰まりorバキュームピストンが降下しない)
      3. メインジェット詰まり
      4. セカンダリ(二次側)スロットルが作動しない
      5. バキュームダイヤフラム破損
    • SUキャブ独特の不具合
      1. ダンパオイル不足または粘度不適当
      2. サクションピストン作動不良
  • エアクリーナ詰まり
  • バキュームホース切れによるエア吸込み
  • バキュームホース誤接続
  • アイシング
  • 燃料系統詰まり(チューブ、フィルタ)
  • 燃料ポンプ吐出不足
  • 吸気系統各ガスケットからのエア吸い込み
  • エンジン本体不良
  • クラッチ滑り
  • ブレーキ引き摺り

 

IV.異音

1.ノッキング(異常燃焼音) 「カリカリ」「チリチリ」音。アクセル開度が大きい加速時に発生しやすい。
  • 点火時期の進み過ぎ
    • 基本点火時期の進み過ぎ
    • デスビのガバナスプリング破損による進角し過ぎ
  • 燃料不良(オクタン価が低過ぎる)
  • エンジン燃焼室内のカーボンデポジット過多(エンジンの要求オクタン価が高くなった)
  • スパークプラグ熱価不適当
  • 希薄空燃比
2.アフタファイヤ(異常燃焼音)< エンジンの燃焼室で燃焼せずにエキゾースト系で「パーン」と言う爆発音がする。
  • ポイント焼損・調整不良による失火
  • プラグ不良による失火
  • 点火時期不良
    • 基本点火時期狂い
    • ハイテンションケーブルの差し違い
  • キャブ不良(過濃空燃比)
  • 排気側バルブクリアランス過小
  • バルブタイミング不良(エンジン修理時の組み立てミス等)
3.バックファイヤ(異常燃焼音) 燃焼が吸気系へ逆流して「パーン」と言う爆発音がする
  • 点火時期不良
    • 基本点火時期狂い
    • ハイテンションケーブルの差し違い
  • キャブ不良(希薄空燃比)
  • 吸気側バルブクリアランス過小
  • バルブタイミング不良(エンジン修理時の組み立てミス等)
  • バキューム漏れ(大量にエアを吸込んでいる)
4.エンジン上部からのカタカタ、ガチャガチャ音 エンジン回転数に同期して早さが変わる
  • バルブクリアランス調整不良(クリアランス過大)
  • ロッカアームまたはカム磨耗
5.エンジン下部からの金属的なコンコン、カンカン音 エンジン回転数に同期して早さが変わる

(アイドル時にプラグに付く側のハイテンションケーブルを1本ずつ外して1気筒のみ強制失火させてみる。これを全気筒行い、どれか1ヶ所でも音が消える気筒があれば本件に該当)

  • クランクシャフトベアリング磨耗(クラッチ断続で音が変化する場合もアリ)
  • ピストンピン磨耗
  • シリンダ&ピストン磨耗
  • コンロッド磨耗
6.エンジン前部からのジャー音
  • タイミングチェーン伸び
  • チェーンテンショナ作動不良
7.その他(エンジン補機からの音)
  • ファンベルト張り調整不良(キュー音)
  • プーリ関係ベアリング磨耗(シャー音)
  • コンプレッサ異音(クーラONでカタカタ、ガラガラ音発生)
  • ウォータポンプベアリング磨耗(ゴロゴロ、ガラガラ音)
  • クーリングファンカップリング(ファンクラッチ)の固着(ファン騒音)
  • エキゾーストマニホールドからの排気漏れ
  • インテークマニホールドからの吸気漏れ(シュー音)
  • 各部接続部ガタ、部品干渉

 

V.燃費不良

1.点火系不良(運転性不良を伴なう)
  • 失火気味
  • 点火時期遅れ
2.アイドル回転数が高い
  • アイドル調整不良(FICD調整不良も含む)
  • アクセルリンケージ引っ掛かり
  • ダッシュポット作動不良or調整不良
  • フロアマットが干渉してアクセルの戻りが悪い
  • BCDDまたはスロットルオープナ作動しっぱなし(48年排ガス規制車)

 * アイドルコンペンセータ装着車では吸気温度が約50℃以上の場合は、アイドル回転がやや高くなる事があるが異常ではない。

3.空燃比(空気対燃料比率)不良
  • エアクリーナ詰まり
  • バキューム漏れ
  • バキュームホース誤接続
  • キャブ不良(アイドル不調、加速不良等の運転性不良を併発することが多い)
    • アイドル調整不良
    • 燃料漏れ
    • チョーク効きっぱなし(チョークバルブが全開しない)
    • 油面不良(高過ぎ)
    • シングルキャブ独特の不具合
      1. パワージェット作動しっぱなし(バキュームピストン不良)
      2. ジェット類緩み
      3. エアブリード類詰まり
      4. セカンダリスロットルの作動が早過ぎる
    • SUキャブ独特の不具合
      1. ノズル戻り不良
        1. チョークリンケージとノズルの取り付け不良
        2. フロートチャンバ〜ノズル間の燃料ホース硬化
      2. ノズル&ジェットニードル磨耗
      3. ダンパオイル不足or粘度不良
4.運転のしかたに起因するもの
  • 暖機運転が長過ぎる
  • アクセル開度が大きい割りにエンジン回転が低い運転が多い(ギヤ選択不適切)
  • アイドル放置が多い
5.燃料漏れ(タンク、ホース、チューブ、ポンプ、キャブ)
6.エンジン本体不良(圧縮低下) 出力低下、異音発生、白煙等、他の不具合も併発する
7.走行パターンに起因するもの
  • 短距離走行が多い
  • 混雑した一般道の走行が多い
  • 登坂路が多い
8.エンジン以外の不具合やその他仕様設定等によるもの *1
  • クラッチ滑り
  • ブレーキ引き摺り
  • タイヤ空気圧が低い
  • エンジンの仕様を変更した
    • 排気量を変更した(違う出力のエンジンに換装した)
    • キャブを変更した
      • 一般的にソレックス、ウェーバー化などは燃費が落ちる
      • シングルキャブ→SUキャブ化は殆ど燃費には影響なし
        (これで燃費が2km/L以上落ちれば不具合と考えてよい)
  • タイヤサイズを太くした
  • 乗車人数・積載荷重が多い
  • 季節(外気温)など

*1: 1〜7も該当する場合、そちらを優先的に確認すること

 

VI.オーバーヒート(または水温計の指針が高い)

1.高負荷時(高速走行、登坂、エアコンorクーラON)
  • ラジエータコア内部水路詰まり
  • ラジエータコア外部フィンに汚れ付着
  • サーモスタット開弁不良(閉じ過ぎor閉固着)
  • サーモスタット仕様違い(開弁温度高)
  • 冷却水量不足(冷却水が減る場合は下表*参照)
  • ラジエータキャップ不良(加圧弁衰損)
  • ヘッドガスケット抜け
  • ウォータポンプのベーン破損
  • 水温計不良(実際はオーバーヒートしていない)
  • サーマルトランスミッタ(水温センサ)不良(実際はオーバーヒートしていない)
  • 計器用ボルテージレギュレータ断線(燃料計と共に指針が振り切れる・実際はオーバーヒートしていない)
2.低車速時、アイドル時(渋滞時及び渋滞+エアコンorクーラON時)
  • ファンカップリング(ファンクラッチ)滑り
  • ファンシュラウドを外している
  • エンジンアンダカバーを外している
  • ウォータポンプのベーン破損
  • エアコンコップレッサONでアイドルアップしない(FICD不作動)
  • 冷却水量不足(冷却水が減る場合は下表*参照)
  • 水温計不良(実際はオーバーヒートしていない)
  • サーマルトランスミッタ(水温センサ)不良(実際はオーバーヒートしていない)
  • 計器用ボルテージレギュレータ断線(燃料計と共に指針が振り切れる・実際はオーバーヒートしていない)
* 冷却水が減る
  • ラジエータコアからの水漏れ
  • ヒータコアからの水漏れ
  • ラジエータホース、ヒータホース、各ウォータホース劣化による水漏れ
  • ウォーターポンプからの水漏れ
  • シリンダーヘッド、サーモハウジング等接続部ガスケットからの水漏れ(冷却水がオイルギャラリに浸入するとエンジンオイルが白濁する)
  • シリンダブロック、シリンダヘッドにクラック(エンジンオイルに混ざる場合と、燃焼室に入る場合がある)

 

VII.オーバークール(または水温計の指針が低い)

  • サーモスタット開弁不良(開き過ぎor開固着)  *水温が上がるまでに時間が掛かる
  • サーモスタット仕様違い(開弁温度低)
  • ファンカップリング作動不良(作動過多)
  • 水温計不良(実際はオーバークールではない)
  • サーマルトランスミッタ(水温センサ)不良(実際はオーバークールではない)
  • 水温計系統電気回路接触不良、断線、短絡、地絡

 

VIII.エンジンオイル消費大

  • エンジンオイル漏れ
    • シリンダヘッドガスケット部
    • フロントカバーガスケット部
    • ロッカカバーガスケット部
    • クランクフロントオイルシール部
    • クランクリヤオイルシール部
    • オイルパンガスケット部
    • ドレーンガスケット部
    • オイルストレーナパッキン部
    • オイルポンプガスケット部
    • デストリビュータ取付部ガスケット、Oリング部
  • オイル下がり(吸気系よりオイルが侵入して燃焼し、白煙を伴なう)
    • バルブオイルシール不良
    • バルブステー、バルブステム磨耗
  • オイル上がり(ピストン&シリンダ間隙からオイルが侵入して燃焼し、白煙を伴なう)
    • ピストン&シリンダ磨耗
    • ピストンリング磨耗
    • ピストンリング組み付けミス(分解修理時)

 

IX.白煙・黒煙

白煙 一般的にオイルが多量に燃焼している。水蒸気と混同しやすいので注意。
  • オイル下がり
  • オイル上がり
  • シリンダヘッドガスケット抜けによるオイル侵入
  • A/Tバキュームダイアフラム破損によるA/Tフルード吸込み(バキューム取り出し経路より)
黒煙 一般的に過濃空燃比が原因。エンジン不調を伴う事も多い。
  • エアクリーナ詰まり
  • 燃料不良(粗悪燃料)
  • アイドル調整不良
  • チョーク効きっぱなし(チョークバルブが全開しない)
  • 油面不良(高過ぎ)
  • シングルキャブ独特の不具合
    • パワージェット作動しっぱなし(バキュームピストン不良)
    • ジェット類緩み
    • エアブリード類詰まり
    • 完爆ダイヤフラム破損でチョークバルブが閉じ過ぎ(冷機時のみ発生)
  • SUキャブ独特の不具合
    • ノズル戻り不良
      1. チョークリンケージとノズルの取り付け不良
      2. フロートチャンバ〜ノズル間の燃料ホース硬化
    • ノズル&ジェットニードル磨耗
    • ダンパオイル不足or粘度不良(粘度が硬すぎる)