ホーム > 自分でメンテ(エンジン編) > 7. アイドラプーリ


アイドラ プーリ ベアリング交換

難易度指数:2 スナップリングプライヤがないとキビシイかも

エンジンルームから「ジャー」という音が出るようになった時、出所を探るとエアコンorパワステアイドラプーリ・・・なんて事があります。寿命については傾向的に5万キロ前後。プーリAssyを交換すれば良いのですが、中のベアリングを交換するだけで直ります。

 

1.本体取り外し

  • パワステポンプ下部2ヶ所と上部1ヶ所にある取り付けボルトを緩め、パワステベルトを緩めます。
  • 右画像「B」部のナットを緩めてから、「A」部のボルトを緩めます。「A」のボルトを緩めて行くとプーリは下方へ下がりますので、目一杯下げてエアコンベルトを緩めます。
  • ベルトを外し「B」のナットも外すとプーリAssyを取り出すことが出来ます。

 

2.本体分解

(1)基本編

汚れを落とした後、裏面に掛かっているスナップリングとカラーを外します。

スナップリングはスナップリングプライヤがないとちょっと出来ないかも・・・

続いてカラーの取り外し。

やり方はいろいろありますが、画像ではベアリング内径より少し小さいソケットレンチのコマをあてがって、ハンマでコツコツ叩きます。確か、差し込みサイズ9.5mmで14mmくらいのコマがちょうど良いかも。

プーリ本体を手のひらに載せて叩けますので、あまり力は要りません。

これでカラーの取り外しは完了。

次はベアリングとプーリ勘合部の固着を解きます。

プーリを画像のように平置きし、ベアリングインナレース(ベアリングの内側の筒の部分)に載るサイズのソケットレンチのコマをあてがいます。コマのサイズは9.5mmの差し込みサイズで27mm程度のモノを使い、ハンマでガツンと叩きます。ソケットレンチへのダメージを考えるとプラスチックハンマか、使い古しのコマが良いです。またはカラーを逆向きにセットして使っても良いかもしれません。

固着が解けると、プーリ裏面ツライチになるまでベアリングが移動します。2つ上の画像を比べてみてください。スナップリングの厚み分だけ出てきています。

この工程は必ず実施しましょう。飛ばすと次の工程でプーリが欠けてしまいます。

次はベアリングプーラがあるか否かで工程が違います。無い場合は(2)へ、ある場合は(3)へ進んでください。

(2)プーラが無い場合

ベアリングを抜き取る工具であるプーラが無い場合の手順がコレです。

画像の例で行くと

  • 嵩上げ用にブロック等を2個用意する
  • その上に傷防止のウエスを介してプーリを置く
  • ベアリングが抜ける分だけブロックに隙間を設ける
  • この状態で、2-(1)のベアリング固着を解く際に使用したソケットのコマをあてがってハンマでたたき出す。

となります。

ココでもソケットへのダメージを考慮する必要があります。

分解後の画像。

パワステ&エアコン(クーラ)付き車はダブルプーリとなっているのでベアリングは2個、エアコン(クーラー)付きパワステ無し車はシングルプーリでベアリングは1個となっています。

(3)プーラがある場合

プーラを使うとスマートに作業できます。ただし、プーラの種類によっては爪が浅くしか掛からず、無理に使うとプーリ外周部が欠ける可能性があります。

※特にパワステ付きのダブルプーリタイプは、欠ける可能性が高いです。プーラを強めに締め込んでもベアリングが抜けない場合は、無理せずハンマで叩き出しましょう。

分解後の画像。

パワステ&エアコン(クーラ)付き車はダブルプーリとなっているのでベアリングは2個、エアコン(クーラー)付きパワステ無し車はシングルプーリでベアリングは1個となっています。

 

3.ベアリング調達

取り出したベアリングに書かれている品番を調べます。ベアリングは規格品なので、機械部品商やベアリングメーカーの代理店などで入手できます。かえって日産部販やディーラでは部番検索で難儀する事があります。

今回取り外したモノはNSK製で品番は6204DU(メーカが違っていても品番は同じ)。
品番の上4桁で寸法が決まります。“6204”では外径47mm、内径20mm、厚さ14mm。下2桁はシール部の種類だと思います。

一番確実なのはドンピシャ同じモノを調達する事です。が、画像ではホームセンターで売っているNACHI製の品番:6204ZZを使用しています。
この製品はベアリングを隠している部分がスチールシールとなっています。これでもOKで、性能的にも殆ど同じです。

 

4.組み立ての前に

そのまま組み立てても構いませんが、せっかくココまでやったのだからプーリも綺麗にしたいと思いまして、プーリもレストアです。

一度塗装を剥離してから錆を落とし、プラサフで下地を整えます。

仕上げの青い塗料は右のような鉄部用スプレーの“ナイスブルー”を使いました。あまり鮮やかではない青で色合いがなかなかナイスです(笑)

塗装する時はベアリングが圧入される内面に塗料が付着しないよう、マスキングします。塗料が付着すると圧入することが出来なくなります。

そして手で触れるくらいまで乾燥したら、オーブンレンジで少し焼くと「焼付塗装」とする事ができ、塗膜が硬くなります。焼き加減は慎重に・・・

 

5.組み立て

逆の手順で組み立てるのですが、異なる点はベアリングの圧入です。

ベアリングをハンマを使って少しずつ叩き込みます。叩く位置が非常に重要で、アウターレース部のみを均等に叩きます。アウターレースとは最外周部。極端に言えば外周部の角を叩く感じ。間違っても内周部(インナーレース)やシール部(画像の茶色のカバー部)は叩かない事。これをやると新品ベアリングでもすぐパーになります。

2個入るタイプでは1個目が入り切ったあたりから、2個目を重ねて叩き込みます。

叩き込んで行くとベアリングがプーリにツライチになるところまでは行きますが、それ以降はアウターレースを叩けずうまく入らないばかりか、せっかく塗装したプーリまで叩いてしまいます。
そこで登場するのが初めに抜き出した古いベアリング。コイツをスペーサ代わりに当てて叩けばスナップリングが入る溝よりも内側まで叩き込むことができます。

最後にスナップリングを嵌め込んで完成。

取り付け後はベルトの張り調整をしましょう。

個人的にはあまりキツキツに張るのはオススメしません。キツく張るとベアリングの寿命に影響します。特にパワステベルトやエアコンベルトは多少緩めに張っても「鳴き」はでません。逆にあまりユルユルでは滑りやバタつきの原因になるのでダメ。もうちょいキツ目がいいかな?と思ったらそこで止めとく感じ、と言えば良いのでしょうか。

 

一覧へ戻る