ホーム > 自分でメンテ(エンジン編) > 10. LLC(冷却水)


LLC(冷却水)交換

難易度指数:2 自動車整備の基本?

冷却水は2〜3年に1度交換しなければなりません。簡単に言えば車検時にやれば問題ないです。交換を怠ると性能が劣化して、冷却効率低下や、エンジンの冷却水循環通路(ウォータージャケット)のサビを発生させる原因となります。実際は冷却水が古いからと言って直接オーバーヒートとなる原因にはならず、サビがラジエータのコアに詰まって循環不良によるオーバーヒートが多いです。

 

1.LLC

冷却水にはLLC(ロングライフクーラント)と言う専用液を水に薄めて使用します。大昔は夏は防錆剤、冬は不凍液を混ぜて使っていました。つまり夏冬で毎回交換していたことになります。LLCでは防錆剤、不凍液両方の効果を持っており、これに防腐剤などの添加剤を追加して長期間使用が可能になります。と言っても3年が限度と見て下さい。新しいLLCは鮮やかな緑色(これは日産用の場合。トヨタは赤。これらは色が違っていても効果は同じで、混用も可能)ですが、劣化してくると妙に透明度があり色が暗い感じになります。

LLCの濃度は大体30〜50%の範囲になるようにします。濃くなるほど凍結温度が下がるので、寒地では50%くらいにするのがベター。関東以西は30〜40%で十分です。逆に異常に濃すぎるとかえって凍結温度が上がってしまいますので、65%以上にしてはなりません。
その前に濃度がわかっても自分のクルマの冷却水容量が分からないと話になりませんネ(笑) だいたいセドグロなら10Lですので、LLCは3〜4L必要となります。車両の取扱説明書に記載されていることが多いので、確認すると良いでしょう。

あと、LLCのグレードですが、個人的にはあまり関係無いと思います。オーバーヒート気味だからといって、高価なLLCに交換しても直ることはありません・・・

また、冷却水に使用する水は軟水が原則です。硬水である井戸水はNG。必ず水道水を使用しましょう。硬水は湯垢が強烈に付着してオーバーヒートなどのトラブルを誘発される原因となります。

 

2.冷却系統機能点検

警告!!

ラジエータキャップを外す時は、冷却水温が十分冷えてから行うこと。高温時には圧力が上がっているので、熱湯が噴出し火傷をすることがあります。

ここは飛ばして交換しても構いませんが、点検してから、と言う場合は参考にして下さい。

ラジエータ内水量

ラジエータキャップを外し、内部の水位を点検します。口元いっぱいまででなくても良く、コア部より上の水位、つまり水面が見えればOK。

リザーバタンク内水量

だいたい半分程度入っていればOK。逆にいっぱいいっぱいだったら注意が必要です。リザーバ水量が目一杯でラジエータ水量が少ない場合はラジエータキャップの機能異常が考えられます。

なお、リザーバタンクの水位は冷却水温で多少変化します。
冷機時 → 水位:低
暖機後 → 水位:高

ラジエータキャップ機能(加圧機能簡易点検)

ラジエータキャップは単なるフタではありません。加圧させる機能(圧力を上げることで沸点を上昇させ、熱交換をアップさせる)があり、これが衰損すると冷却効率が低下します。

本来ならキャップテスタでチェックしますが、簡単にやるなら以下のようにやります。

  1. エンジンが冷えた状態でラジエータホース(ヒータホースなどでも可能で、柔らかいところを探す)をつまみ、加圧されていない状態での弾力を確認しておく。
  2. ラジエータキャップを外し、裏のバルブを目視点検します。ゴムパッキンに亀裂はないか、金属部がサビサビになっていないか? 見るからにボロそうだったら即交換です。
  3. ラジエータキャップを装着してエンジンを始動し、完全暖機させます。この状態で1と同じ部位のホースをつまんでみます。

ホースが張っている → OK(加圧されている)

1の状態と変わらない → NG(ラジエータキャップ要交換or水漏れ箇所あり)

 

3.交換手順

警告!!

冷却水温が十分冷えてから行うこと。高温時には圧力が上がっているので、熱湯が噴出し火傷をすることがあります。

3−1

ラジエータ下部にドレンコックがあるので外します。フロントバンパーの下に頭を突っ込んで見れば容易に発見できます(右画像)。
外したらチョロッ、チョロッとしか出ませんので、ラジエータキャップを緩めるとザーッと出てきます。

一応、大体どれくらい出てきたのか、そして冷却水の状態を確認する為に、バケツなどに溜めます。

3−2

ラジエータのドレンコックを外しただけでは全量を排出することは出来ません。エンジン内部やヒータにある分は別の部分から排出させます。

まず、ツインキャブ車はエアクリーナケースを外します。ヒータコックからエンジンブロックへつながるホースのエンジン側ジョイント部にドレンボルトがあります。右下の画像ではちょうどホースバンドが邪魔して写っていませんが、バンドの向こう側にはドレンボルトが下から上に向かってねじ込まれています。これを14mmの工具(まぁまぁ固着しているのでメガネあたりが良)を使って外します。ホースが新しいうちはホースを抜いてしまっても良いでしょう。
ここからは2〜3L程度排出されます。

3−3

次は内部洗浄です。と言っても完全にやることはなかなか手間が掛かります。これは液体類は共通です。今回はラジエータの洗浄を重点にやる方法をご紹介します。

ドレン類を一旦装着して水道水を注入します。
そしてラジエータ側ドレンコックを外して(または漏れる程度に緩めて装着)、ドレンから排出されるスピードとほぼ同じになるように蛇口を加減して水位を保ちます。そしてこの状態でエンジンを始動し、アイドル放置します。
できればヒータホース側ドレンボルトでも似たようなことをしたいです。ただしそこそこ熱いお湯が出てくるので火傷に注意が必要です。しばらくそのままにして、排出される水が綺麗な水になればOK。

また、リザーバタンク内の冷却水も抜きます。これはタンク自体を外してやります。出来る限り中も掃除しましょう。

3−4

いよいよLLC注入です。ドレンコック、ドレンボルトはすべて装着します。ここでラジエータのドレンコックのゴムパッキンは古ければ交換します。これはカーショップで調達可能です。大抵はコックごとになりますが、価格も安い(\300くらい)ので問題ないでしょう。

ドレンコックはギューギューに締めこんではいけません。ゴムパッキンが潰れ過ぎて変形の原因となります。パッキンがラジエータに接触してから半回転〜1回転くらいでしょうか。

ヒータホース側のドレンボルトはネジ部がテーパー状なので、パッキン、ガスケットなどは不要です。スパナで普通のチカラでギュギュッと(表現が難しいけどトルクが3kg-mくらいでしょうか)で締めます。

注入準備が完了したらLLCの注入です。先にLLCを全量(だいたい4L)入れてから、ラジエータの口いっぱいまで水道水を注入します。

3−5

冷却水の排出も一度に出来なかった様に、注入も一度には完了しません。ラジエータの口元まで来ていてもヒータなどにはエアが溜まっています。そこでエア抜きを行います。

ラジエータキャップはせずにエンジンを始動し、空調モードレバーをヒータ(230では「ROOM」か「DEF」)に、温度調節レバーをフルホットにセットします。風量はOFFでなければ何速でも良いです。

水温計が動き出すとサーモスタットが開き始め、ラジエータへ循環するようになります。同時にエアも排出されるようになります。口元から泡がでたり、水位が急に上下します。水位が減ったら給水します。ここまで来たらエンジンを何度か空吹かしさせると、エアの抜けが良くなるかも。泡が消え、冷却水が溢れる一方となればエア抜きが終了です。

ラジエータキャップを締め、リザーバタンクにはだいたい半分くらいの水を入れておきます(いっぱいまで入れてはダメ)。


エア抜き中、泡が沢山出てきて口元が真っ白になることも・・・

3−6

試運転を行い、ドレンから冷却水が漏れていないかを確認します。試運転後、エンジンが冷えたらラジエータキャップを開けて水量を点検します。減っていたら給水します。

 

 

一覧へ戻る