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ブレーキマスタバック他車流用

掲示板からの抜粋です。時系列は掲示板とは逆で、上から下に向かって進みます。また、本題と関係ない箇所は省略しています


[No.309]   マスタバック交換
投稿者: 佐藤   (2023/11/11(Sat) 19:19:42)
ながた様こんばんは。いつも勉強させていただいております。
さて先日我が愛車のマスタバックが故障しました。友人の事例やこちらの掲示板の書き込みなどの事例で見聞きはしておりましたが、とうとう我が愛車でも起こったか、という感じです。

この様にエアが漏れるばかりで制動力がなくなってしまいました。

幸い予備を持っていたのでそれで応急対応はしましたが、この予備部品も似たような時期に生産されたものであり、そう遠くない内に同様の不調をきたして使用不能に陥ることは目に見えておりました。
中古品を取り寄せて使おうともこれも一時凌ぎにしかならないだろう、取り寄せても必ずしも正常品とは限らないだろうと思い、何か新品で小加工にて使用できるものは無いかと模索しましたところ、S130フェアレディZ前期型用マスタバックのリプロ品が見つかりました。リプロ品というと品質や耐久性など気になりますが、さすがに純正とはいえ50年前のマスタバックよりマシであろうと思い、少々値は張りましたが取り寄せてみました。

https://www.restore-parts.com/ja/item/ca0122/
当方が取り寄せたショップとは違いますが同一品です。

こちらメイドイン台湾でマスタバック本体サイズは同一、バルクヘッドへの取り付けボルトの配置間隔やマスタシリンダの取付ボルト間隔も同一で
相違点はバキュームホース差込口が230の物の対角の向かって左上の位置にあり、どうやらこれにはチェックバルブが内蔵されております。
また、S130の物ですので230に用いる場合はマスタシリンダ側を長いプッシュロッドに対応させねばなりませんが、自分の場合は数年前に写真の330用ピストンキットに交換してありますのでそのまま取り付けしました。このピストンキットはトキコのシリンダに対応したものですがまだ新品購入できます。ナブコの場合は330の物でしたら高価にはなりますがまだASSYが出ますね。
プッシュロッドだけ交換するというやり方も整備書に記載がありますが、失敗してオシャカにしてしまいそうでコワいので出来れば避けたいですね…汗
さて交換して試運転もしてまいりましたが、特に異常もなく従来の物とも遜色なく使用できております。
後は何年もつか…これでしばらく使用を続けて様子を見て、何か異常がございましたらばまたお知らせさせていただこうと思います。
皆様の参考になれば幸いに存じます。宜しくお願い致します。


[No.312]   これは保存版にさせてください
投稿者: ながた(管理人)   (2023/11/12(Sun) 21:10:57)
佐藤さん>書き込みありがとうございます。30年くらい前は「マスタバックなんて壊れる(徐々に性能が落ちる)ものではない」という認識でしたが、多走行車から徐々に聞くようになりました。ダイヤフラム劣化⇒破れは仕方ないと思います。

S130のダイヤフラムサイズが230ディスクブレーキ車と同じのは知っていましたが、リプロ品があるのですね。プッシュロッド問題をクリアできればアリだと思います。でもモノがモノだけに結構お値段張りますね。中古良品よりZとかスカイライン系と近い部品はこういうもので対処したいです。

あとピストンキットの画像も助かります。これはモノタロウでは取扱終了ですけど、ほかで入手できそうです。
マスタバック側のプッシュロッドが230用のままの場合は、新ピストンのほうに内径にギリで合う径サイズのボルト等を切ってエポキシ接着剤等で固定するやりかたで「詰め物」をすれば何とか使えたハズです。
トキコ製のシリンダは、個人的にはピストンキットではなく、カップキットが残っていれば共通性が増すし安価なのでありがたいのですが、どこも廃止されてしまっています。
私の230も2台とも(トキコ/ナブコそれぞれ)前回O/Hから間もなく15年なので、いよいよなんですよね。

という事で、本件は「投稿コーナー」に採用させていただきたく、よろしくお願いします。
[No.313]   あらためて乗ってみて
投稿者: 佐藤     (2023/11/12(Sun) 22:18:47)
ながた様こんばんは。投稿コーナーもちろんOKです。ありがとうございます。
また、前回従来と遜色なく、と記しましたが、あらためて乗ってみると倍力作用が強いのか(新品だから?)ペダルタッチが少々軽めになり、普段通りの力加減で踏むと思いがけない強めのブレーキになるかもしれません。個体差や慣れの問題かもしれませんが…。以上よろしくお願い致します。


<<管理人より>>

2023年11月の書き込みから抜粋しました。マスタバックの内部ダイヤフラムが経年劣化で破れるとASSY交換しか方法はありませんが、S130フェアレディZの社外品流用事例が本件です。適用車種は230および330全年式のフロントディスク車。バン、STDのようなフロントもドラムのブレーキの場合、このマスタバックではサイズが大きすぎ(=倍力が過剰)でちょっと踏むだけでペダルが奥まで入り、急ブレーキになってしまう可能性があります。配管液圧が同じ条件下ではドラムブレーキはディスクブレーキより制動力が大きいので、4輪ドラム車では通常は倍力装置が省略されたりディスクブレーキ車より小型のものが採用されます。

また、本文にもある通り、230ではマスタシリンダがノーマルのままではS130用マスタバックは装着できません。330用のマスタシリンダASSYまたは230用ノーマルシリンダASSYを分解(オーバーホール)して330前期用ピストン(*1、2)を移植することによりS130マスタバックが装着可能になります。理由は1970年代中期にマスタバックのプッシュロッドが全車変更により、マスタシリンダ側のピストンの受け側形状も変更になったからです。下図はその比較です(佐藤さん提供)。

*1:リペアキットは他の部品は230用と共通
*2:330前期用リペアキット(ピストンキット)部番・・・トキコ製:P#:46011-Y0128、ナブコ製:P#:46011-Y0127

新品という事もあり少々値は張るようですが、中古品より信頼性は格段に向上します。佐藤さん、情報提供ありがとうございました。

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