ホーム > 実験君 > 9. クラッチ オペレーティングシリンダ
適用車種(確認できた範囲で) |
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難易度指数:3 | オペシリンダを交換するだけ |
セドグロのような重量のある車両ではクラッチ操作系統は油圧式が採用されており、ペダル踏力は軽減されているハズですが、年式によって以下のような事が言えます。
型式 | 年式 | 項 目 |
130 | 後期 | レリーズ系が手動調整式の為、クラッチディスクの磨耗状況によって調整しなければならない |
230 | 前期 | 1.レリーズ系が手動調整式の為、クラッチディスクの磨耗状況によって調整しなければならない。 2.クラッチカバーを新品に交換すると、現在供給される部品はL26用と共通(ディスクを押しつけるスプリングの圧力が500kg)の為、ペダル踏力が大きく(重く)なることがある。 |
今回はこれらの欠点の改善方法を検証します。
なぜこの様になるのか? ペダル踏力はマスタシリンダorオペレーティングシリンダのシリンダ内径やクラッチカバーのスプリング圧力に関係し、レリーズ系のメンテはオペレーティングシリンダ自体が手動式か自動式かによります。
クラッチ油圧系統とその周辺の仕様をまとめると・・・
マスターシリンダ 内径[インチ] |
オペシリンダ(注1) 内径[インチ] |
オペシリンダ 純正部品番号 |
レリーズ 調整機構 |
プッシュロッド 先端の形状(注2) |
アシスト スプリンング(注3) |
クラッチカバー スプリング[kg] |
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130後期 | 5/8 | 5/8 | 30620-28800 | 手動 | B | 有 | 405 |
230前期L20 | ↑ | 11/16 | 30620-V2800 | ↑ | B | 無 | 400 |
230前期L26 | ↑ | 3/4 | 30620-W3403 | 自動 | B | 有 | 500 |
230後期6気筒 | ↑ | 3/4 | 30620-U7001 | ↑ | A | 無 | L20:400 L26:500 |
130営業車最終 230営業車 |
↑ | 11/16 | 30620-Y4001 | ↑ | B | 有 | 450 |
注1. オペシリンダ・・・オペレーティングシリンダの略。他メーカーではレリーズシリンダという呼び方が一般的。
注2.プッシュロッド形状 ・・・
手動調整式にはB型、自動調整式にはA又はB型が用いられる。
最近の車種はほとんど自動調整式の為、A型が主流。
注3.アシストスプリング ・・・
ペダル踏力を補助する為にペダルに取り付けされたスプリング。
ペダルをある程度踏み込んだ時のみ(踏み込み方向に)スプリングが作用してアシストします。
これを装着した車両ではペダルフィーリングがリニアでなく、半分くらい踏み込んでから急にペダルが軽く感じる傾向にあります。
上の表だけではちょっと分かりにくいかもしれませんので、次はどこを変更すればどう変わるのかでまとめてみます。
変更内容 | 変更したことによる弊害等 | |
レリーズ調整機構を自動にしたい | 自動調整式オペシリンダAssyにする | |
ペダルを軽くしたい(1) | オペシリンダの内径を大きくする (Assyで変更) |
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ペダルを軽くしたい(2) | クラッチカバーのスプリングを弱いものにする | エンジンパワーや車重によりクラッチが滑り易い |
ペダルを軽くしたい(3) | アシストスプリングを追加する | ・ペダルに加工を要することがあり得る ・ペダルフィーフリングがリニアでないので好みが分かれる ・部品調達で難儀するかも |
この様にしてみると、クラッチカバーのスプリングを弱いタイプにするのは論外。それ以外の方法で状況に応じて選択となります。どちらかというと、オペシリンダの変更だけで済ます方法が良いようです。
それでは内容別にどのタイプしすればいいのか、これまた表にしてみました。
レリーズ自動化のみ | ペダル踏力低減のみ | レリーズ自動化+ペダル踏力低減 | |
130後期6気筒 | 不明 | 30620-V2800 | 30620-Y4001 |
230前期L20 | 30620-Y4001 | 不明 | 30620-W3403 |
130のクラッチは元々アシストスプリング付きの為、ペダルはそれ程重いとは言えません。ペダル踏力だけを改善する意味でP#.30620-V2800にするのではなく、主にレリーズの自動調整化をする目的でP#30620-Y4001にする方がベターです。
一方、230前期L20では逆にペダル踏力低減は必須アイテムでもあるので、P#30620-W3403がオススメ。
最後に交換手順です。
なお、画像は130でオペシリンダを自動調整式・内径3/4インチに変更した時のものです(本サイト推奨は11/16インチ)。3/4インチではデカ過ぎてクラッチ軽過ぎ(笑)
せっかくフルード交換を行うので、マスタシリンダ(第7図)のオーバーホールも同時にやってしまったほうが安心度が増します。