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ポイント交換

難易度指数:2 隙間合わせが重要

ポイントの不具合は修正のところで触れましたが、騙し騙し使っていると修正では復活しなくなります。もうこうなっては交換しかありません。でも出来れば何度も修正で粘るより、潔く交換してしまったほうが、作業時間・運転性・燃費の面で結果的に得です。大体6気筒車なら5〜6千キロくらいが良いかも。ポイントなんて5〜600円の部品です。

 

1.分解方法

(1)ディストリビュータのキャップ(ディスキャップ)・ロータの取り外しまでは「ポイント修正」のページと同じです。

(2)リード線取り付けビス1本(画像B部ですが横向きになっている)を外し、続いて本体取り付けビス2本(画像A部・共にプラスネジ)を十分緩めて(まだ外さない)、ポイントを取り出します。
そして、中心にある六角形のカム側面に付いているグリースを拭取ります。

2.取り付け調整

(1)新しいポイントを付けますが、まずリード線取りつけビス「B」のみ完全に締めます。本体取り付けビス「A」2本は(3)のポイントギャップ調整に備えてかなり緩めに締め付けます。

(2)ポイントのアームがデスビのカムに十分乗り上げる(ポイントが最大に開く)ところまで、エンジンを手動で回します。方法はレンチを使ってクランクシャフトを回転させる、と言うのが教科書風。でも、不精な私はA/Cベルトを手で持って回します(画像は片手でやっていますが、軍手装着+両手じゃないと痛いです(笑))。

(3)ポイントが最大に開いた状態での隙間(ポイントギャップ)が、0.45mm(+-0.05mm程度)になる様に調整ビス「C」(マイナス)で調整します。ここが一番重要!。シックネスゲージ(隙間ゲージ)を0.45mmにして隙間に入れた時、適度な抵抗を感じる程度ならOK。キツキツ・スカスカはNG。OKなら取り付けビス「A」を本締めします。ただ、本締めすると隙間が変わってしまうので、本締め後ももう一度確認します。もし、ズレてしまっていたらまた調整し直しです。

またポイント調整値の確認は静的測定であるギャップ測定の他、動的測定と言える“ドエルアングル(カムクロージングアングル)測定”でも確認できます。エンジンをアイドル回転させた状態で測定するので、どちらかと言うとギャップ測定より理にかなっています。ドエルアングル測定には専用テスタが必要なので、どちらかというとプロのやる測定と言えます。ポイント交換はシックネスゲージを使わず目見当でギャップ調整をした後、エンジンを始動しドエルアングルをチェックする、と言う方法もアリです。そして適当なドエルアングルは・・・

360[度] ÷ 気筒数 X 0.6(通電率:60%)

と言う公式から計算しますので、6気筒は36度、4気筒は54度が一般的な数値です。L20の場合は35〜40の範囲にあればOKの様です。

ポイントギャップに関わる影響は下表の通り。狭くても広くてもダメなんです。

ポイントギャップ 点火時期 ドエルアングル 影     響
狭い 遅くなる 大きくなる 断続が不正確になる(→ミスファイヤが発生)
広い 早くなる 小さくなる 1.ヒール部の磨耗が早い
2.ON時間(通電率)が少ないので、点火エネルギーが不足
3.チャタリングが発生し易く、高回転で点火時期が狂う

(4)最後にポイントのカムに接する赤っぽい樹脂(ベークライト)の部分(=ヒール部)にグリースを塗布します。あまり沢山付け過ぎないように注意して下さい。カム自体に薄く塗布するのも良いかも。

3.組み立て

ここまで来れば、ロータとキャップを付けて完成。工具も不要です。

4.コンデンサ

デスビの脇に付いているコンデンサはポイントの接点の焼損を食い止める(ポイントで発生する火花を吸収する)役割をしています。これも古くなると静電容量(火花を吸収できる量)が低下して、ポイントの寿命を短くしてしまいます。整備工場ではポイントの交換は車検の時にやってくれますが、コンデンサの交換はなかなかやってくれません。「ポイントを交換したばかりなのにすぐ(2〜3000キロくらい)調子が悪くなる・・」なんて言う場合はコンデンサを疑う必要があります。コンデンサはポイント交換3〜4回に1回くらいのサイクルでやると良いと思います。

交換は配線ビス、固定ビスそれぞれ1本ずつ外せばいいだけですが、固定ビスはそのままではドライバーが入りません。デスビ本体を一度外さないと多分ダメです。デスビを外すと点火時期が狂う可能性があるので、実験君「ハイオク仕様」を参照下さい。

使用部品
部品名称 部品番号 価格
ポイント 22145-89901 \550くらい
コンデンサ 22102-D1100 \450くらい

 

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