2000年7月中旬、映像作成会社の方からメールが届きました。
この度、アパレルメーカーのダーバンのCMを制作することになり、70年代式のセドリックを探しています。色は黒です。 なかなか、私共の身近に所有しているものが見つからず、ホームページで永田さんの愛車を拝見させて頂ました。是非、今回のCM制作に協力して頂けたらと思います・・・ |
このようなメールは他の「関東地区の70年代の黒いセド(グロ)」の方々にも届いたようです。なぜCMに230?? これが最大の疑問なのですが、「日程的にはOKですので、こんなので宜しければどうぞ・・・」と返事しておきました。ひょっとすると、カーチェイス&横転・爆破なんて事になるのでは・・・ ん〜、70万出してくれれば即OKかな(笑)
翌日には再びメールが。「ムリを言って申し訳ありません。永田さんに立ち会って戴きたいのですが・・・」。なぜか決まっています(笑) ちょうど仕事のほうも、溜まりつつある休日出勤分の振り替えを消化したい、と思っていた矢先の出来事で、撮影が平日でもOKだったのが、採用された要因だったのでしょうか。
メールの返信をした日の週末、メールをいただいたスタッフの方とお会いして、現車確認をして行かれました。その時お聞きした話しでは、一途さんのHPのオーナー名簿でかなり初めの段階から関東地区の黒の230をチェック入れていたこと、CMに出演する“東京ロマン楽団”というグループから黒いS4系グロリアかその類いの国産旧車のオーダーがあったことを知りました。な〜んだ、230はホンメイじゃないのねん^^;
7月25日撮影当日は午前中で仕事を切り上げ、午後4時に横浜の都筑にあるスタジオへ。道中、岩本さんから「今から行きます!」との連絡が入ります。
約束の時間通りに到着したものの、まだ待ちがかなりあるとのことで、洗車をしておりました。そこへ岩本さんが差し入れ持参(ありがとうございました)で到着。続いて石原さんも駆けつけてくれました。
CMのカット数は全部で24でそのうち230が関与するのは前半6カット。資料を戴きましたので掲載します。
カットNo | 内 容 | 備 考 (音声) |
C−1 | 多国籍な人々の集う、とある空港の搭乗者ロビー。 | 空港ノイズ |
C−2 | 搭乗者ロビー、人物抜きA | ↑ |
C−3 | 夜の道を走る車(旧式の日本車) | ↑(走行音カットイン) |
C−4 | 搭乗者ロビー、人物抜きB | ↑ |
C−5 | 夜の道を走る車に乗っている東京ロマン楽団のメンバー | ↑(走行音カットイン) |
C−6 | 搭乗者ロビー、人物抜きC | ↑ |
C−7 | 夜の道を走る車から見た目。歩道橋にA.A.R PORTの看板!。 | |
C−8 | 空港にたどり着く車(のタイヤ) | キキーッ! |
C−9 | 車のドアが開き降り立つ足。 | ザクッ! |
C−10 | 車をバックに4人ポーズ。(トラックイン+送風機+正面からの明かり) | 曲スタート |
C−11 | 搭乗者ロビー | ↑ |
C−12 | 歩いて来るメンバー | ↑ |
さてクルマのほうはいよいよ撮影準備開始。室内には照明(蛍光灯)を取り付けられました。
そして第一発目の撮影。多分「C-8」だと思いますが、その辺はぜんぜん分かりません(笑) 急停車する様をタイヤ回りだけ写す、というもので、据え付けたカメラ位置にピッタリ急停車すると言うもの。「正確な操作感覚が要求されるので、オーナーさんが運転して下さい」・・・。スタジオ裏庭で行ったのですが、距離が短くしかも坂道。そんなところで何度も坂道発進するハメに^^; MT載せ変え時にハイギヤードになってしまったのでかなりキツイ。 7〜8回やったところでようやくOKでました(苦笑)
休憩をはさみ、C-9,10を撮影。
このカットの撮影時、スタッフの方から「このクルマ、そんなに高価なんですか??」と・・・・なかなか返答に困る質問です(笑)。230セダンの相場と言えば旧車ショップでは5〜60万、仲間ウチでは2〜30万、状況によってはタダなんてこともあるんですから。だから「いや、そんなことありませんね〜。数は少ないけど値段なんてたいした事ないですよ。」と答えておきました。彼らには230はどう見えたのでしょうか。
中には「コレ、いいっすね〜 探して見ようかな〜」なんて方もおられました。
このあとはスタジオ内での曲の収録。5時間程度の待ちとなりました。
その間は岩本さん、石原さんとでファミレスで時間を潰していましたが、午前0時頃にご両人のお帰りとなりそれ以降は時間潰しが大変なこと大変なこと(笑)。 終いにはスタジオの待合室で居眠りをしておりました。
午前4時頃、車内外にCCDカメラが取り付けられます。
そしてようやく走行シーンの撮影に入りました。運転は東京ロマン楽団のメンバーとなる為、私はやはり待合室で居眠り(笑)
約40分ほど走行シーンを撮影しました。
そしてようやく全撮影が終了。午前5時でした。そして私は一旦家へ戻ったもののすぐ仕事です。その日の仕事振りはご想像にお任せします(笑)
CM撮影は見学経験も含め今回が初めてでしたが、ま〜時間の掛かること(笑) こんなに時間を掛けて30秒モノのCMですから。
最後になりましたが、230GXを採用していただいたCM制作会社の方々に厚く御礼申し上げます。また駆けつけていただいた岩本さん・石原さんありがとうございました。
* 画像提供・・・岩本さん