適用車種 | 230、330 |
難易度指数:3 | エア抜きさえ出来れば・・ |
230のブレーキはそれほど効かなくはないのですが、今のクルマ(特に前輪ディスク+後輪ドラム)と比べるとやはり効きません。まぁ比較するのが悪いといえばそれまでですが、たまに今のクルマに乗って「カックンブレーキ」をやるのも格好悪い(笑)。だから小変更で済むリヤで実験です。
制動力はホイールシリンダ内径に比例します。だからホイールシリンダのサイズアップだけで事足ります。
選定にあたっては、同じ取付け方法(性能云々を除いて、無加工で取り付け可能)である事、サイズが大きい事を考慮してピックアップすると、次の表のようになりました。
採用車種 | 230 〜 331 ( *1) | 331(*2) & 250(*3) | 230 &330系ABS付車、 251〜252(*4)ABS無し車 |
230 & 330系STD | 230 & 330系VAN、 251〜252(*4)ABS付車 |
部品番号(右側) | 44100-P0202 | 44100-F1700 | 44100-P4401 | 44100-P0512 | 44100-P0502 |
部品番号(左側) | 44101-P0202 | 44101-F1700 | 44101-P4401 | 44101-P0512 | 44101-P0502 |
シリンダ内径(インチ) | 3/4 | 13/16 | 7/8 | 15/16 | 1 |
シュー隙間調整機構 | 自動 | ← | ← | 手動 | 自動 |
*1: 230のセダン&HTの前輪ディスク+ABS無し仕様全車、330〜331昭和52年5月以前のセダン&HTの前輪ディスク+ABS無し仕様 *2: 331昭和52年6月以降のセダン&HTの前輪ディスク+ABS無し仕様 *3: 250(プレジデント)昭和51年7月以前 *4: 251〜252(プレジデント)昭和51年7月〜昭和57年9月 |
※ 現在、これらの部品はすべてメーカーで製廃となっており、新品入手は極めて困難になりました。
※ フェアレディZ(S30)の7/8インチタイプリヤホイールシリンダが代用可能の情報があります。詳細は投稿コーナー「リヤホイールシリンダ流用情報」を参照ください。
セダン6気筒・HT・ワゴンは3/4インチなので、あとの4タイプのどれにするか。消去法でSTD用15/16インチはシュー自動調整式ではない、VAN用1インチは前輪側とのバランスからデカ過ぎの可能性大、13/16インチでは大きさがあまり変わらないので効果の期待小、となるので、7/8インチで落ち着きました。
まず、シューを外します(シュー交換参照)。
次にブレーキラインのチューブを外します。ココはスパナでは外れないので専用のレンチを使用します。なお、ブレーキフルードは殆ど漏れることはありません。
裏のダストカバー(6)をめくり、U字型のプレート(8)をマイナスドライバーで軽く叩きながら外すと、シリンダ(3)が引き抜けます。
取付けは逆の手順。シリンダとバックプレート(右図の黒い円盤状の板)の摺動部にグリースを塗り(裏面はコッテリ)、組み付けます。さらに、抜け止めであるU字型プレート(1)(2)を組んで固定します。
なお固定といっても向かって左右にスライドは出来る構造になっています。スライドさせた時の摺動抵抗は7kg以下。渋いと制動力に影響しますが、新品時には当たりが出ていないので、多少なら良いかも。
ブレーキ油圧ラインを切り離したときは、省略できない工程です。今回のように、末端だけ切り離した時は、マスターシリンダ・Gバルブのエア抜きは特に要りません。 やり方は・・・「自分でメンテ」にアップしたいと思いますのでここでは省略します。ただ注意していただきたいのは、グレードがスーパーデラックス以上の場合は車輛姿勢がほぼ水平になっている状態でエア抜きをやること。今回のような作業では後輪のみ浮かせがちですが、これではバツ。Gバルブがラインを閉じてしまい、エアどころか何も出てきません・・・
乗って見た感じですが、やはり効く!それほど極端ではありませんが、ぺダル踏力の割には効きが少し良くなりました。数値で表すとすれば「制動力」で、車検時のデータから下のようになります。
リヤ強化前 | リヤ強化後 | フロント(参考) | |
右側[kg] | 190 | 210 | 280 |
左側[kg] | 190 | 220 | 280 |
だいたい15%の向上です。ん、シリンダの径は・・・やはり約17%増ですから、ちょうどいい関係になるじゃないですか! あまり期待はしていませんでしたが(笑)
とすると、推測で15/16インチにすれば240kg前後、1インチなら250kg前後になるのかな?
こう見ると、リヤだけの強化なら今回使用した7/8インチのものでちょうどいい見たいです。乗った感じ、一瞬1インチが良かったなとも思いました。でもこれはフロントの強化とセットですね。
今回使用した部品・価格は以下の通りです。ホイールシリンダの交換は普通の整備工場でも良くやる作業ですから、自分でやれなくても、車検のついでにやってもらうのもいいかもしれないですね。
部品名称 | 部品番号 | 価格 |
右リヤホイールシリンダ | 44100-P4401 | (新品は製廃になりました) |
左リヤホイールシリンダ | 44101-P4401 | ↑ |
※ フェアレディZ(S30)の7/8インチタイプリヤホイールシリンダが流用可能のようです。詳細は投稿コーナー「リヤホイールシリンダ流用情報」を参照ください。
ちなみにこの変更、Gバルブ又はPバルブ無し車にはあまりおすすめ出来ません。なぜならフロントディスク+リヤドラムという組み合わせは、もともと「後輪の早期ロック」がし易く、その防止装置がないままリヤを更に強化してしまうと、かえって危険だからです。
で、今回装着したのはDX。もちろんGバルブは標準では付いていないのを、わざわざ付けたのでダイジョ〜ブ。