適用車種 |
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難易度指数:3 | クラッチ交換が出来れば問題ナシ |
クラッチは有名なクラッチディスク(クラッチ板)の他に、クラッチカバー、レリーズベアリングなどで構成されいます。クラッチ系統はクラッチカバーに種類があり、「コイルスプリング式」と「ダイヤフラムスプリング式」の2種類の大別できます。「カバー」と言う名称から単なる「覆い」だと思いがち。ところがクラッチカバーはディスクをフライホイールに押し付けたり離したり、はたまた中途半端に繋げたり(半クラッチ)するプレッシャープレートとスプリングが組み込まれている、重要な部品なのです。
上のイラストはコイル式とダイヤフラム式の系統図です。コイル式のクラッチカバーは分解可能で、複数のコイルスプリング(5番)でプレッシャープレート(3番)を押しているのです。
一方、ダイヤフラム式のクラッチカバーは非分解。コイル式の様にスプリングがいくつもある訳ではなく、円盤状のスプリングが一つあるのみ。
二種類あるクラッチカバーですが、コイル式はもはや“いにしえ”のシステム。こんなのを使っているクルマはやっぱり“いにしえ”のクルマ(笑)
セドグロでは130系(グロはS40?)までは全車種がコイル式、230(グロはA30)以降430あたりまでは4気筒車のみに減り、代わってダイヤフラム式が6気筒車用に登場、Y30以降はすべてがダイヤフラム式になったようです。
ダイヤフラム式がコイル式に取って代わって採用されたのは、次のような利点があるからです。
左:ダイヤフラム式 右:コイル式
クラッチなんて普段は見えない部位なのですが、どうせ替えるなら良いヤツを付けたいですね。今回は手持ちの330用ダイヤフラム式カバーがあったので、それを130に流用しようという事になりました。
また、330用は230用ダイヤフラム式とは若干構造が異なります。230用よりも更に軽量化されており、以後ダイヤフラム式の標準タイプとなりました。130とは別の機会に230に330のカバーを導入しているので、その情報も記載します。
330用カバーを使用することで寸法的に異なるのが“厚さ”。実際には厚さよりも、レリーズベアリングと接触するクラッチレバーの高さ(プレッシャープレートからクラッチレバーまでの距離)が重要で、これがことなる場合は、ベアリングスリーブも変更しなければなりません。
重ねて撮影しています。下が230用、上が330用(社外品 アイシンCN-041)。
ベアリングスリーブ(画像はレリーズベアリングを装着した状態)を比較します。カバーが薄くなるので、その分長いスリーブが必要。
画像左が330用、右が130用。
また、ベアリングもカバーがコイル式かダイヤフラム式かで形状が異なります。
130ほどの差はありませんが、やはり7ミリ程度の差があります。
ディスクは汎用性が高い部品なので、個人的には130用だとか330用だとかのこだわりはあまりしていません。今回は230用として検索したものを使用しました。 画像右が取出したもの、左が新品。外径が違うようにも見えますが、色の関係でしょう。どちらも225ミリです。
使用部品が違うだけなので、交換手順は「自分でメンテ」にある「クラッチオーバーホール」のページと重複しない部分のみとします。
作業中、変更しなければならないのが、フライホイールのノックピン。フライホイール自体はクラッチカバーのタイプに関係なく、エンジンが同じなら同一のようです。ただ、ノックピンの位置だけが異なります。130のコイル式カバーは180度おきに2つピン穴があるのですが、ダイヤフラム式では違う為、約60度ほど移設します。移設位置は新しいクラッチカバーを当ててみれば分かるハズです。
ノックピンはプライヤなどで引きぬき、目的の場所(穴)にハンマーで軽く打ちつけます。
230はフライホイールのノックピン変更は不要です。そのまま新しいクラッチカバーが装着できます。
上のイラストは交換するブッシュの部位を示します。チェンジスピードレバーやセレクトギヤレバーのところにもブッシュはありますが、ミッション脱着には関係ないので、床下の6ヶ所のみ。大抵へたっているか、ひどい場合は1〜2個紛失して付いていない場合もあり、交換するとシフトフィーリングは格段に向上します。
下の2つの画像は130用と230用の同じ部位のブッシュで、それぞれ材質が異なります。今回は耐久性と剛性に優る230用ブッシュ(画像内右側)を流用しました。
カバーをダイヤフラム式にすることで、クラッチ系統を現在のシステムに近づける方法をご紹介致しました。130の場合はこの系統がやや古めかしいので、オペレーティングシリンダの変更(自動調整化)と併せて行いたいものです。
しかし、「こんな重整備、自分じゃ出来ねぇーよ」と言う方が普通だと思います。
クラッチ修理の必要があったら、このページをプリントアウトして整備工場に相談していただければやってくれるのではないでしょうか。
部品名称 | 部品番号 | 参考価格 (円) *1 |
備考 |
クラッチディスク | 30100-33F61 | 13,800 | 型式:225CBL 旧部番:30100-E4100、30100-E4301 社外品番:DN-040、DN-409(アイシン) |
クラッチカバー*2 *3 | 30210-Y0115 | 14,900 | 型式:C225S 330 L20 400kg 社外品番:CN-011またはCN-410(アイシン)、V2-2261(日立) |
30210-Y0600 | 14,900 | 型式:C225S 430 L20ET 450kg 社外品番:CN-041(アイシン) |
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30210-N3110 | 25,700 | 型式:C225S 330,430 L28 500kg 社外品番:CN-022(アイシン) |
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レリーズベアリング | 30502-69F1A | 3,300 | 外径:81.4mm 旧部番:30502-21000(外径:74mm) 社外品番:RCT4075-1S(KOYO:寸法は旧部番相当) |
ベアリングスリーブ *3 | 30501-1C104 | 2,270 | 330用 |
リンケージブッシュ | 34552-89900 | 240 | 230〜用 6個使用 |
*1: 2021年4月現在(製廃による入手不可や、代替部品対応により価格が異なる場合があります) *2: L20の場合はどれでも使用可、L26はL28用を使用 *3: 230の場合は、これらの部品に変更することで、クラッチ系統の軽量化が可能 |