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クラッチカバー変更

適用車種
(確認できた範囲で)

  • 130(後期)  L20(新&旧)、J20  
難易度指数:3 クラッチ交換が出来れば問題ナシ

1.目的

クラッチは有名なクラッチディスク(クラッチ板)の他に、クラッチカバー、レリーズベアリングなどで構成されいます。クラッチ系統はクラッチカバーに種類があり、「コイルスプリング式」と「ダイヤフラムスプリング式」の2種類の大別できます。「カバー」と言う名称から単なる「覆い」だと思いがち。ところがクラッチカバーはディスクをフライホイールに押し付けたり離したり、はたまた中途半端に繋げたり(半クラッチ)するプレッシャープレートとスプリングが組み込まれている、重要な部品なのです。

コイルスプリング式クラッチ

 

ダイヤフラムスプリング式クラッチ
 

上のイラストはコイル式とダイヤフラム式の系統図です。コイル式のクラッチカバーは分解可能で、複数のコイルスプリング(5番)でプレッシャープレート(3番)を押しているのです。

一方、ダイヤフラム式のクラッチカバーは非分解。コイル式の様にスプリングがいくつもある訳ではなく、円盤状のスプリングが一つあるのみ。

二種類あるクラッチカバーですが、コイル式はもはや“いにしえ”のシステム。こんなのを使っているクルマはやっぱり“いにしえ”のクルマ(笑)
セドグロでは130系(グロはS40?)までは全車種がコイル式、230(グロはA30)以降430あたりまでは4気筒車のみに減り、代わってダイヤフラム式が6気筒車用に登場、Y30以降はすべてがダイヤフラム式になったようです。

ダイヤフラム式がコイル式に取って代わって採用されたのは、次のような利点があるからです。


左:ダイヤフラム式     右:コイル式

クラッチなんて普段は見えない部位なのですが、どうせ替えるなら良いヤツを付けたいですね。今回は手持ちの330用ダイヤフラム式カバーがあったので、それを130に流用しようという事になりました。

なお、330用は230用ダイヤフラム式とは若干構造が異なります。230用よりも更に軽量化されており、以後ダイヤフラム式の標準タイプとなりました。本ページは130以外にも、230に330のカバーを導入する時にも参考になると思います。

 

2.流用にあたって

クラッチカバー

330用カバーを使用することで寸法的に異なるのが“厚さ”。

130から取出したコイル式カバー(画像右)と、これから組もうとする330用ダイヤフラム式カバー(画像左)を比較すると、約2センチの差で330用のほうが薄くなっています。実際には厚さよりも、レリーズベアリングと接触するクラッチレバーの高さ(プレッシャープレートからクラッチレバーまでの距離)が重要で、これがことなる場合は、ベアリングスリーブも変更しなければなりません。

レバー高さは、130>230>330の順です。

レリーズベアリング&スリーブ

そのベアリングスリーブ(画像はレリーズベアリングを装着した状態)がコレです。

カバーが2センチ薄くなるので、その分長いスリーブが必要。画像右が取出したもので、左が330用。

また、ベアリングもカバーがコイル式かダイヤフラム式かで異なります。

ディスク

ディスクは汎用性が高い部品なので、個人的には130用だとか330用だとかのこだわりはあまりしていません。

今回は230用として検索したものを使用しました。

画像右が取出したもの、左が新品。外径が違うようにも見えますが、色の関係でしょう。どちらも225ミリです。

 

 

3.交換作業

使用部品が違うだけなので、交換手順は「自分でメンテ」にある「クラッチオーバーホール」のページと重複しない部分のみとします。

作業中、変更しなければならないのが、フライホイールのノックピン。

フライホイール自体はクラッチカバーのタイプに関係なく、エンジンが同じなら同一のようです。ただ、ノックピンの位置だけが異なります。130のコイル式カバーは180度おきに2つピン穴があるのですが、ダイヤフラム式では違う為、約60度ほど移設します。移設位置は新しいクラッチカバーを当ててみれば分かるハズです。

ノックピンはプライヤなどで引きぬき、目的の場所(穴)にハンマーで軽く打ちつけます。

 

3-1.交換作業 オマケ編

クラッチ交換ではミッションを降ろすので、ついでにシフトコントロールブッシュも交換します。コラムシフトタイプの旧車では“ついで作業”が沢山ありますねー^^;
ついで作業はオイルシールやブッシュなどなど。クラッチだけの交換なんて、考え様によっては勿体無いですよ(笑)

上のイラストは交換するブッシュの部位を示します。チェンジスピードレバーやセレクトギヤレバーのところにもブッシュはありますが、ミッション脱着には関係ないので、床下の6ヶ所のみ。大抵へたっているか、ひどい場合は1〜2個紛失して付いていない場合もあり、交換するとシフトフィーリングは格段に向上します。

下の2つの画像は130用と230用の同じ部位のブッシュで、それぞれ材質が異なります。今回は耐久性と剛性に優る230用ブッシュ(画像内右側)を流用しました。

 

 

4.最後に

カバーをダイヤフラム式にすることで、クラッチ系統を現在のシステムに近づける方法をご紹介致しました。130の場合はこの系統がやや古めかしいので、オペレーティングシリンダの変更(自動調整化)と併せて行いたいものです。

また、ダイヤフラム式カバーを使用することでペダル踏力を低減できるので、330用でもL28用の高荷重カバーと3/4インチのオペレーティングシリンダを組み合わせると良いかもしれません(今回はL20用カバーと3/4インチのオペレーティングシリンダの為、ペダルが少々軽過ぎ)。
価格は部品代も下表に挙げましたが、ノーマル部品と殆ど変わりません。

しかし、「こんな重整備、自分じゃ出来ねぇーよ」と言う方が普通だと思います。
クラッチ修理の必要があったら、このページをプリントアウトして整備工場に相談していただければやってくれるのではないでしょうか。

 

使用部品一覧表

部品名称 部品番号 参考概算価格
クラッチディスク(230 L20用)  30100-33F61 10,000
クラッチカバー(330 L20用) 30210-Y0115 13.000
レリーズベアリング(ダイヤフラム用) 30502-21000 2,000
ベアリングスリーブ(330 L型用) 30501-N1600 1.300
230用リンケージブッシュ(これを6個使用) 34552-89900 150

* 230にも上記の部品を使用することで、クラッチ系統の軽量化を図ることが出来ます。

 

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