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21.
ドアアウトサイドモール(水切モール)
ドア アウトサイドモール(水切モール)
ドアのガラス底辺にある「アウトサイドモール」は通称「水切モール」とも呼ばれ、モールにゴムが取り付けられていてドア内部への雨水浸入を軽減(機構上、完全防水ではない)しています。
この水切モールのゴムは劣化するとヒビが入り雨水の侵入が増えてしまうばかりでなく、美観も損ねてしまいます。純正品はとっくに製廃です。純正部品はモールとゴムがアッセンブリの状態で供給されます。
今回、これを社外品で似た形状のものとゴムの部分だけ交換して修理します。部品はボディゴム関係でお世話になっている、空助(クウスケ)技研さんからご提案されたものです。
なお、本件はセダン、バン、ワゴンに適用します。HTは若干形状が違いますので、使えないかもしれません。また社外品を使用する都合上、本ページは「自分でメンテ」と「実験君」で共用します。
1.部位
部位は画像をご覧になれば一目瞭然(笑)
2.部品
部品的にはトヨタ車用だそうです。断面を確認します。相違点はザックリ書くと下記。
- リップ部の断面は近いが、装着後、見える部分(@部)で一本筋が多い
- 固定部分のリテーナーに当たる部分の幅(A寸法)が約3mm短い(オリジナル:20mm、代替品:17mm)
- リテーナに当たる部分の中に鉄芯が入っている(=穴あけ加工が少し大変)
- リテーナに当たる部分(B寸法)が約1mm厚い(オリジナル:1.5mm、代替品:2.5mm)
理論上は穴あけが上手くいけば装着できることが予測できます。その穴あけ加工がやや難しいかと思いますが、ホームセンターで揃う範囲の工具類で加工する方法を以下にご紹介します。
3.交換作業
- ドアフィニッシャは当サイトの「ウィンドウレギュレータ」のページを参照してください。
- ドアの裏側から大きめのドライバー等を使って、モールをゆっくり押し上げます。
テコの要領でこじり押し上げますので、支点となるボディパネル側にはウェス等を当てます。この時、絶対にガラスが支点とならないように。
この作業はドアの両端(ガラスを回避すると両端しかない)2か所でやると、全体が浮いた状態になります。
※画像は右リヤドア
- ある程度浮いたら、あとは手で外せますが、少し捩じったりしながら外すことになります。あまり大きなチカラを加えないように注意が必要です。
リヤドアは三角窓がありますので、前側を先行で浮かせて三角窓付近を最後に外す感じでやると良いと思います。またどうしても塗膜が剥がれてしまう部分があると思うので、その場合は同色の塗料かサビ止め等でタッチアップをするようにしましょう。
- モールが外せたら、ゴム部を分解します。まずはリテーナーの足というか爪を押し上げるとリテーナ、ゴム、モールが分離できます。
- 分離すると下図のようになります(例はリヤドア用)。上から
の3点。
- いよいよ新品ゴムを加工します。まずは取り外したゴムをもとに、少し長めにカットします。
- 穴あけの位置を決まます。新旧のゴムを重ねて旧部品の穴からマーキングします。
- 左右方向の位置が決まったら、上下方向を決めます。細い筋の凸凹があるので、それを基準に上側は3本目(上から約6mm)、下側は2本目(下から約5mm)の凸にマーキングします。
- アンビル(金床)の上に新品ゴムを置き、マーキングをしたところにタガネまたは貫通ドライバー(タガネ代わりにして良いもの)をハンマーで叩いてカットします。
カットするときは一回り大きめ(マーキング部位の外側)の位置にします。
画像は古いマイナスドライバーを加工したものを使っています。タガネよりきれいにカットできました。
- 穴があけ終わったら、カット時に変形した箇所を平らに修正します。プライヤで形を整えたり、金床上で軽くハンマーで叩き平らにします。次に切断面を平ヤスリで仕上げます。
- 完成したら組み立ての準備に入りますが、リテーナやクリップはサビ止めを塗って一晩置いて乾燥させます。画像では亜鉛塗料を塗っています。
- モールの組み立てが終わったら、車両に装着します。これも少しコツが要ります。装着前に爪の確認です。
- ドア側は下図矢印の穴を見ながら、モールのクリップの爪をドアの穴に入れていく感じで装着します。
- モール装着は基本的に手で押し込んでいきます。工具で叩くとへこみます。手でも強く叩くのは避けてください。
なかなか浮きが収まらない場合、モールとゴムの境界線あたりを指で強く押します。
今回は(も)空助技研さんの製品を使用してみました。専用品ではないので寸法や形状が少し異なりますが、代用できることが分かりました。空助技研さんの製品はYahoo!オークションで出品されています。お問い合わせ等はメールでお願いします。
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