ホーム > 実験君 > 6. オルタネーター (ICオルタネーター)


旧車にICオルタネーター

このネタは1992年にオートメカニック誌に投稿し、同年7月号(No.241)の「読者のアイディアレポート」に掲載されたものです。

適用車種 日産車ならほぼ全車に該当
難易度指数:2 ・オルタ交換+ちょこっと回路を変えるだけ
・使用するオルタの種類、車両のシステムの違いでやり方が違います

1.目的

“オルタネーター”のことを「ダイナモ」っていう人がいます。ダイナモを訳すとジェネレーターと同じ「発電機」となる事もあるようなので、あながち間違いではないのですが、どちらかと言うと発電機の中でも「直流発電機」と言う意味合いが強いと言えます。じゃぁオルタネーターは・・・「交流発電機」です。クルマの電気は基本的に直流ですから、オルタネーターは内蔵された整流器(レクティファイヤ)で直流に変換(=整流)してから出力されるのです。ここだけ見ると「なんて面倒なことを・・ダイナモの方が良いのでは?」とお思いでしょう。しかしオルタネーターはダイナモに比べ、

などの利点が多く、1960年代半ばのクルマから次々にオルタネーターに代わって行きました。

そしてオルタネーターが発生する電圧はエンジン回転数によって変化するので、これを一定に制御するのがボルテージレギュレーター(電圧制御装置)です。オルタネーターが搭載され始めた頃は、右画像のように外付けされた機械接点式(チリル式)のレギュレーターでしたが、1970年6月、130型セドリックの最上級グレードであるスペシャル6-GL用に、小型高性能のIC式レギュレーター内蔵オルタネーター(ICオルタネーター)が国産車としては初めて登場しました。これも1980年頃までは上級グレード車の装備品で、商用車にも付くようになったのは1980年代後半あたりからではないでしょうか。

【NOTE】

ジェネレーター(発電機)の変遷
ジェネレーターの種類 採用時期 備考
ダイナモ (直流発電機) 〜1960年代前半 非常に古いシステムのため、日産車も採用例は少ない
(オースチン、セド30系中期以前、ブル310以前等)
オルタネーター
(交流発電機)
レギュレーター別体式(チリル式) 1962年〜1990年代 ・商用車、廉価グレードでも1965年あたりから採用
・ICオルタ登場以降、補修用部品として別体式レギュレーターのIC版も登場
ICレギュレーター内蔵(ICオルタ) 1970年〜 商用車、廉価グレードにも採用され始めたのは1980年代後半から

230ではGX車がIC式、それ以外のグレードがチリル式となり、相違点は下表の通りです。

オルタネーター用レギュレーターの比較
項目 IC式 チリル式
取り付け場所 オルタネーター内蔵 エンジンルーム(外付け)
構成部品 IC(定電圧ダイオードとトランジスタ、抵抗器等) 抵抗器とリレー等
制御の特徴 早いサイクルでON-OFF制御するので高精度 低速←→高速の切り替えのみ
回 路 内部は複雑だが外部配線は単純 特に外部配線が煩雑
調整電圧異常時の
チャージランプ
電圧低下時は敏感に点灯
(軽微な場合はぼんやり点灯)
かなりドロップした時のみに点灯する
保 守 メンテナンスフリー 特性がずれていく事がありメンテナンスが必要
故障時  応急処置はほとんど不可 リレーのごまかし修理は可能(笑)

これもチリル式が勝つのは最後の「ごまかしが効く」くらいでしょうか(笑) 総合的にはICの方が断然有利です。
私の場合、オルタネーターの容量アップが主の目的で「どうせならIC式に・・・」というのが正直なところ。230の2000ccでは標準が50A(アンペア)で、60A以上にしようと探しても、今やチリル式用のオルタネーターは入手困難でもあるのです。

2.部品の選定

IC式のオルタネーターを探す上で候補となるのは、

  1. L型エンジン用(*)
  2. 比較的上級グレード
  3. プーリー幅が同じ(230は前期と'72.8〜の中期以降とでプーリー幅が異なるので注意)

*: L型エンジン用でも、大容量(60A以上)タイプはベースが新しいエンジン(VG型等)用のため、システムが異なる場合があります。詳細は「6. 新しいタイプのオルタを装着する場合」をご覧下さい。

こんな感じのクルマ。具体的には430セドグロEGI車あたりが好都合です。オルタネーター本体にラベルがあってこれで見分けられれば便利ですね。↓は日立製での例。

赤い部分の番号は上から

となり、右端は制御端子の配列を示します。ただし過去に電装屋さんでオーバーホールを受けたものでラベルが剥がされてしまったものもあります。この場合は、製造メーカー品番が打刻されている事がある(新品時から打刻のみの場合もあるし、O/H後は何も表記がないこともあります)ので、それを探すと良いでしょう。
ついでに日立品番の意味(私もあまり詳しくないです・・・^^;)
例の“LR170-02B”の“R”はICレギュレーター内蔵タイプ(チリル用は“T”)、“70”が容量(最大電流)を表します。
私の経験(調査)上での話ですが、230にポン付け可能なICオルタネーターの品番は次の様になります。

メーカー(注1) 品番
(製造メーカーの番号)
採用されていた車種 230で流用できる車種 備  考
日立 LR150-12 230前期2000GX 前期2000の左記以外  
LR150-02B  
LR160-12B 230前期2600GX
及び寒冷地2000GX
前期で左記以外  
LR150-11 230中期以降2000GX
(多分330系も)
中期以降2000の左記以外  
LR160-21 230中期以降2600GX
及び寒冷地2000GX
(多分330系も)
中期以降で左記以外  
LR160-84B 430(2000EGI?) 前期〜最終
(つまり全車)

プーリー幅がなぜか中途半端なので
全230に取り付け可能のようです。
こりゃイケル!

LR170-02B 430(ターボor2800等) 中期以降  

注1.三菱製も同仕様のモノがありますが、日立製に比べ少数派なのと、元々あまり詳しくないので割愛させていただきますm(__)m

 

3.オルタ交換

バッテリの端子を一旦切り離します。

オルタネーター脱着手順については割愛させていただきます。

次にチリル式レギュレーターを取り外します。

 

4.回路の変更 その1

次は配線の変更です。はじめに、元の状態であるチリル式の回路です(図1)。

この状態から、極力従来の配線を生かしつつ、最小限の変更を行います。

【NOTE】
この章では、430用ICオルタネーターを装着する時の回路変更をご紹介します。新タイプのICオルタネーターの場合は、「6. 新しいタイプのオルタを装着する場合」をご覧下さい。

配線の変更はいたって簡単。まずは始める前に、変更する車両のタイプをチェックします(下表)。タイプIとII、IIIで変更箇所が多少異なりますが、いずれもチリル式レギュレーターを取り外したあとの6極コネクタ部に、ジャンパ線を接続します。

オルタ変更前の回路* 車両タイプ 230での該当車
  • チャージランプの装着:アリ
  • レギュレーターN端子〜オルタN端子間に、オートチョークリレーなどの電装品が結線されている場合
タイプ I 2000DX〜GL、2600系
  • チャージランプの装着:アリ
  • レギュレーターN端子〜オルタN端子間に、オートチョークリレーなどの電装品が結線されていない場合
タイプ II 2000GX、STD系
  • チャージランプの装着:ナシ
  • レギュレーターN端子〜オルタN端子間に、オートチョークリレーなどの電装品が結線されていない場合
タイプ III ナシ
(S30などが該当)

*: 車両タイプがI、IIどちらか分からない場合は、“タイプ I”の方法で行います。

【タイプ I の場合】

  1. 6極コネクタA端子〜F端子、N端子〜L端子間をそれぞれジャンパ線で接続する  *1
  2. 6極コネクタIG端子〜L端子間に抵抗器付き(100オーム、3W)ジャンパ線を接続する *2
  3. ICオルタ S端子、L端子に接続する2極コネクタの端子配列を逆にする(「5. 回路の変更 その2」へ)

*1: 6極コネクタA端子〜F端子は常時電源系で、バッテリ上がりを心配されるかもしれませんが、オルタがOFFすれば通電しません。IG電源系に接続する場合、IG端子〜F端子となり、これでも作動はします。しかし、IGスイッチの電圧降下が調整電圧(オルタの制御電圧)に影響するので、結果的に調整電圧が上昇する可能性があります。常時電源系に接続する理由は調整電圧を正確にする目的があります。

*2: 手順2を行う理由は、主にチャージランプ球切れ時のオルタ無発電防止対策になります。チャージランプが正常(イグニッションSW:ONで点灯)ならば特に不要な為、省略しても構いません。
また、チャージランプをLED化する場合は、作動電流が非常に少ない為、必須になります。

図2 ICオルタネーターの充電回路図 (タイプ I 用)


【タイプ II の場合】

  1. 6極コネクタA端子〜N端子、F端子〜L端子間をそれぞれジャンパ線で接続する *1
  2. 6極コネクタIG端子〜L端子間に抵抗器付き(100オーム、3W)ジャンパ線を接続する *2
  3. バッテリの接続等の復元を行う
  4. 作動チェックを行う(「7.作動チェック」へ

*1: 6極コネクタA端子〜N端子は常時電源系で、バッテリ上がりを心配されるかもしれませんが、オルタがOFFすれば通電しません。IG電源系に接続する場合、IG端子〜N端子となり、これでも作動はします。しかし、IGスイッチの電圧降下が調整電圧(オルタの制御電圧)に影響するので、結果的に調整電圧が上昇する可能性があります。常時電源系に接続する理由は調整電圧を正確にする目的があります。

*2: 手順2を行う理由は、主にチャージランプ球切れ時のオルタ無発電防止対策になります。チャージランプが正常(イグニッションSW:ONで点灯)ならば特に不要な為、省略しても構いません。
また、チャージランプをLED化する場合は、作動電流が非常に少ない為、必須になります。

図3 ICオルタネーターの充電回路図 (タイプ II 用)

 

【タイプ III の場合】

  1. 6極コネクタA端子〜N端子をジャンパ線で接続する
  2. 6極コネクタIG端子〜F端子間に逆流防止ダイオード付きジャンパ線を接続する。*
  3. バッテリの接続等の復元を行う
  4. 作動チェックを行う(「7.作動チェック」へ
図4 ICオルタネーターの充電回路図 (タイプ III 用)

*: 手順2でダイオードを挿入しますが、下記部品が使えると思います(未確認ですので責任持てませんが)。
      部品番号: 24335-89900  約1,000円
      または、ダイオードではなく、抵抗(100オーム 3W)を使用してもOKです。

チリル式レギュレーター用6極コネクタの端子配列は、下図の通り。多分日産車なら他の車種もこの配列だと思います。尚、右下画像のコネクタでは、逆装着防止の凸部が上側(向こう側)となります。

図5 車両ハーネス側カプラー端子配列


(タイプI の車両での接続例)

 

5.回路の変更 その2(タイプIのみ)

車両タイプが「タイプ I」のみ該当します。 配線の変更箇所2つ目はオルタネーター制御端子部。

「回路の変更 その1」で行った変更後、そのままではここの「L端子」、「S端子」の関係が逆になってしまい、正常に作動しません。

そこで車両ハーネス側の端子配列を逆にします。方法は2つ。

  1. 車両ハーネスのコネクタ部で端子をバラし差し替える。
  2. 車両ハーネスとオルタ間に端子配列が逆になるような「変換ハーネス」を自作して挿入する。

容易に元に戻せる2番の方が良いかもしれません。コネクタは市販品の中でも最も目にするタイプなので自作は簡単です。

以上が終われば完成。バッテリを接続して作動テストを行います(「7.作動チェック」へ)。

 

6.新しいタイプのICオルタを使用する場合(2006.1追加)

最近いろいろなショップ、電装屋から、「旧車用として使える」と言われる大容量のICオルタネーターが発売されています。これは、元々最近のエンジン用のオルタの一部を改造して、旧車のエンジンに取付可能としたものです。日産のL型用としては、RB型、VG型、VQ型エンジン用などのオルタをベースに、プーリーや制御用ハーネスコネクタに変換アダプタを追加したものが多いです。これらのオルタを入手してICオルタ仕様にするには、いままで述べた方法では問題が生じる場合があります。

ICオルタの新旧比較。左が430用旧タイプICオルタ(日立LR170-02B)、右が新タイプICオルタ

6-1. 対象車

オートチョークリレー等の駆動信号を(チリル式オルタの端子名で)N端子から受信している車両、つまり「4. 回路の変更その1」で説明した車両タイプが「タイプ I」の場合です。オートチョーク付きキャブ仕様車だと、ほぼ全車がヒットします。

2000GXのようなツインキャブやスタンダードはマニュアルチョークです。オルタN端子〜チリル式レギュレーターN端子間に何も繋がっていない「タイプ II」の車両になり、先述の結線で対応できます。

6-2. 理由

日産車では1992年頃からICオルタの機能(警告機能)が変更となりました。これに伴い、ICレギュレーターの回路、オルタ〜レギュレーター間の結線も変更されました。この影響で、L端子の電流の流れ方が変わってしまったのです。

新旧システムの比較
項目 旧システム 新システム
警告機能 ・ 充電電圧低下警告 ・ 充電電圧低下警告
・ B端子外れ警告
・ S端子外れ警告
・ ロータコイル回路断線警告(充電電圧低下の前にブラシ磨耗が検出可能)
・ 過充電警告
L端子の役割 ・ ロータコイルの初期励磁用電源
 (発電が立ち上がるまでは、ココを外部電源として使用)
・ チャージランプ制御
・ 充電電流出力
 (エンジン回転時のみONする信号がここから拾えた→オートチョーク等に使用)
・ チャージランプ制御
チャージランプ点灯時の電気の流れ IGN S/W ⇒ チャージランプ ⇒ オルタL端子 ⇒ ICレギュレーター&ロータコイル ⇒ アース IGN S/W ⇒ チャージランプ ⇒ オルタL端子 ⇒ ICレギュレーター ⇒ アース
チャージランプ消灯時の電気の流れ チャージランプには、下記の双方からプラスの電圧が掛かり、電位差ゼロとなるので電流が流れず、消灯する。

・ バッテリ: IGN S/W ⇒ チャージランプ(+側端子)
・ オルタ: オルタ出力用ダイオード ⇒ オルタL端子 ⇒ チャージランプ(-側端子)

ICレギュレーター内のトランジスタがOFFし、チャージランプ回路が遮断されて消灯する。

IGN S/W ⇒ チャージランプ ⇒ オルタL端子 ⇒ ICレギュレーター(内部トランジスタOFFで遮断)

その他   ・ ロータコイルの初期励磁用電源はB端子に変更

6-3. 旧タイプICオルタと同じ装着方法をした場合

対象車両に、旧タイプICオルタと同じやり方で新タイプICオルタを装着した場合、次のような不具合(不都合)が生じます。

キーSW:ON、エンジン始動前、チャージランプの点灯状態
(正常に点灯している)
エンジン始動後、チャージランプの点灯状態
(実際は発電しているが、消灯せずにうっすら点灯し続ける)

6-4. 対応方法

「エンジン回転時のみON信号を出す」と言う機能が、新タイプICオルタには無くなりました。そこで、回路を変えます。考え方は2つ。

A.イグニッションSW:ONの信号で代用する。
B.オートチョークリレーを1Tリレーに変更し、これのコイルをチャージランプと並列になるよう結線してエンジン回転時にONする信号を作る。

【A案】

Aは妥協案(暫定案)。欠点は、オートチョーク付き車の場合、「イグニッションSW:ONで数分間放置後に始動しようとすると、チョーク作動量が不足して始動不良になる」と言う点。イグニッションSW:ONで、すぐ始動するように心がければ良いのですが、本来の動きとちょっと異なるので、ベストとは言えません。
また、オートチョークリレーの処理(下記手順「3」)は同リレー故障時の応急処置として旧タイプICオルタやチリル式レギュレーター仕様でも応用できますが、最初からメーカが採用していないのは、前述の場面において挙動が不十分だからです。だから妥協案と言えます。

A案の作業手順は、次のようになります。

  1. チリル式レギュレーター用ハーネスの6極コネクタのFとL、AとN各端子をそれぞれジャンプする。*
  2. ICオルタのS、L端子のコネクタの端子配列があっている(オルタS端子がレギュ用ハーネスN端子、オルタL端子がレギュ用ハーネスF端子に繋がっている)事を確認する。
  3. オートチョークリレーを撤去、手順1と同じ要領でリレー用ハーネスの青色の線と白/青の線をジャンプする。
  4. バッテリの接続等の復元を行う。
  5. 作動チェックを行う(「7.作動チェック」へ)。

*: 6極コネクタA端子〜N端子は常時電源系で、バッテリ上がりを心配されるかもしれませんが、オルタがOFFすれば通電しません。IG電源系に接続する場合、IG端子〜N端子となり、これでも作動はします。しかし、IGスイッチの電圧降下が調整電圧(オルタの制御電圧)に影響するので、結果的に調整電圧が上昇する可能性があります。常時電源系に接続する理由は調整電圧を正確にする目的があります。

図6 新型ICオルタ装着時の結線図A

 

オートチョークリレーの取付位置

【B案】

B案は私が今回考えた中ではベストな結線。
  1. チリル式レギュレーター用ハーネスの6極コネクタのFとL、AとN各端子をそれぞれジャンプする。*
  2. ICオルタのS、L端子のコネクタの端子配列があっている事を確認後、接続する。
  3. 従来のオートチョークリレーを撤去し、1Tリレー(5端子の切り替えリレー)に変更する。
  4. 1Tリレー1番端子をチリル式レギュレーター用IG端子にバイパス線で結線する。
  5. 1Tリレー2番端子をチリル式レギュレーター用LまたはF端子にバイパス線で結線する。
  6. オートチョークリレー用ハーネスの線色:白/青の線を1Tリレー3番端子に結線する。
  7. オートチョークリレー用ハーネスの線色:青の線を1Tリレー4番端子に結線する。
  8. バッテリの接続等の復元を行う。
  9. 作動チェックを行う(「7.作動チェック」へ)。

*: 6極コネクタA端子〜N端子は常時電源系で、バッテリ上がりを心配されるかもしれませんが、オルタがOFFすれば通電しません。IG電源系に接続する場合、IG端子〜N端子となり、これでも作動はします。しかし、IGスイッチの電圧降下が調整電圧(オルタの制御電圧)に影響するので、結果的に調整電圧が上昇する可能性があります。常時電源系に接続する理由は調整電圧を正確にする目的があります。

元々あったオートチョークリレーハーネスのうち、黄色の線と黒色の線は使用しません。

1Tリレーは汎用品でもOKです。市販のリレーは大半が4端子の1Mリレーですので、間違えないように注意が必要です。日産純正部品でやるなら、部番は下表のようになります。

 
部品名称 部品番号 概算価格(2006年現在)
1Tリレー 25230-C9961 ¥1,600
リレーブラケット 25235-N8500 ¥100
リレー用コネクタ B4345-0MFB1 ¥800

日産純正1Tリレー

純正リレーだとちょっと高くつくので、汎用品のほうが良いかもしれません。このような回路にすると、オートチョークには変更前と同じく、エンジン回転時のみ通電するようになります。

 
図7 新型ICオルタ装着時の結線図B

なお注意点は、1Tリレー3番端子はイグニッション電源である事。もし常時電源となる車両では、イグニッション電源となるように繋ぎ替える必要があります(230ではイグニッション電源です)。参考までにチャージランプ、オートチョークの作動の相関関係を下表にまとめます。

チャージランプとオートチョークの作動
  イグニッションSW: OFF イグニッションSW: ON
かつ
エンジン: 停止時
イグニッションSW: ON
かつ
エンジン: 回転中
チャージランプ 消灯 点灯 消灯
1Tリレー コイル 非通電 通電 非通電
接点位置(作動) ・ 3番端子〜4番端子間: ON
・ 3番端子〜5番端子間: OFF
・ 3番端子〜4番端子間: OFF
・ 3番端子〜5番端子間: ON
・ 3番端子〜4番端子間:ON
・ 3番端子〜5番端子間: OFF
3番端子〜ボディアース間電圧 0V バッテリ電圧 バッテリ電圧
オートチョークヒータの状態 非通電(OFF) 非通電(OFF) 通電(ON)

 

7.作動テスト

【チャージランプテスト】

基本中の基本です。充電云々より大事。絶対に確認しましょう。特に点灯する時に、きちんと点灯する事。

*: 旧タイプオルタではエンジン回転中からイグニッションSW:OFFした時、一瞬(約0.5秒)チャージランプが点灯する事がありますが、これで正常です。

変更前は問題なかったのに、変更後にこうならない場合は・・・・

が考えられます。

【充電電圧テスト】

以下の条件でバッテリ端子電圧を測定します。

バッテリ端子電圧: 13.0 〜 15.0V

これらの詳細は、当サイトの「自分でメンテ」の電装編にあります。リンクはこちらです。

 

8.まとめ

IC式にしても乗っている時はあまり、いや全く実感は沸きません。当たり前なんですけどね(笑)
それでも上記の表のような利点がありますので、是非おすすめします。旧車でコレに変更している方も意外に多いものです。配線を新規に作り直している場合が多いようですが、今回の方法ならオートチョーク車でも簡単に変更できます。

また、ジャンパ線に逆流防止ダイオードを接続する例もありますが、チャージランプがある場合は特段必要だとは思えない(純正仕様は元々ない)為、省略しました。

なお、今回はオーバーホール方法はそれをやるモノがないので省略しました。しかしこれをHPにされている方がいらっしゃいます。ET清水さんのHPには「レストア作業」→「オルタネーター整備」があって、そこに解説がありますので、自分でチャレンジされる方はそちらを参考していただくと良いでしょう。

 

9. 主な関連記事

 

一覧へ戻る